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冬が終わり、桃色の花が散る日。
今日は、すまないスクール生徒の卒業式だ。
「なんか、長いようで短かったなぁ」
「兄貴がよく授業さぼってたのが懐かしいなぁ」
そう怪盗兄弟と呼ばれるレッドとブルーはこぼす。
「にしても、今日は良く晴れたな」
「はぁー!!絶好の卒業式日和だな!!」
と、リンゴ姫と国の名前で少し揉めた新“バナナ国”の王、バナナと、今では世界を変えた実業家に選ばれたマネーが話す。
「ほんと、すまないスクールでの生活は、色々あったなぁ・・・」
「ほんとそれ、死にかけたこともあったよな」
と、壊れた建物を直し、有名な建築家となった銀さんと、自分の付与したエンチャントで様々な人を救った風夜。
「でもとっても楽しかったな!」
「そうですね」
動物の力を借り、壊された国の手伝いをした赤ちゃん。ブラックホールの謎を解き明かし、有名となったブラック。
皆がそう話し合っていると、
「今日もおはようすまなーい!」
と、すまない先生が。
笑顔だが、すまない先生の肩腕はダラりと動くことなく、項垂れている。
「・・・さて、今日は“卒業式”だ。今でも君たちとの思い出が昨日のようだよ・・・みんな、卒業おめでとう!君たちが卒業しても、君たちは僕の大事な生徒だ!」
と、すまない先生は挨拶をした。
「それじゃあ、体育館に向かおっか」
「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」
✵✵✵✵✵
体育館には、もう既に卒業生の両親が揃っていた。
校長先生に、生徒たちの名前が次々と呼ばれていく。
成長した生徒の背中を見ていたすまない先生は涙が出そうになり、グッと堪えた。
(・・・もう、僕がいなくても、君たちはひとりで歩いて行ける。もう、自分で歩くことが出来る。それがとても嬉しいなぁ・・・)
そう、すまない先生は笑顔をこぼした。
✵✵✵✵✵
「卒業おめでとうぅ!!」
「いやすまない先生俺らよりめっちゃ号泣してるじゃねぇか!!」
こらえることが出来ず、結局すまない先生は大号泣していた。そんなすまない先生に、銀さんたちは笑いながら、すまない先生の方を向いた。
「すまない先生」
「ん?」
すると、生徒たちは花束を手渡した。真っ青な青い薔薇の花束だ。
「「「「「「「「「今まで、ありがとうございました!!!」」」」」」」」」
そう大きくみんなはお礼の言葉をこぼした。
「俺がガラの悪い奴らに絡まれていた時に、助けてくれてありがとうございました!」
「僕に武器をとって、自由を勝ち取ることを教えてくれて、ありがとうございました」
「雇い主を裏切り、生物AIを破壊しようとして、殺されかけたところを助けていただき、ありがとうございました。」
「俺に仲間や勉強を教えてくれて、ありがとうな!!」
「サボっても何度も俺を呼びに来てくれて、途中で投げ出そうとしないで、ありがとうございました」
「危ない目にあった時に、助けてくれてありがとうございました!」
「牢獄から僕を連れ出してくれて、ありがとうございました!」
「はぁー!!!弱くても見捨てず鍛えてくれて、ありがとうございましたぁ!!」
生徒たちは、皆すまない先生に救われた。すまない先生が救ってくれたから、家族や大切な人たちを救うことが出来た。いまこうして、自分たちがここに立てているのだ。
「・・・ッ・・・!!みんな、僕を泣かす気?」
と、すまない先生はボロボロ涙を零し、笑う。そして、みんなは笑い合い、見事
──すまないスクールを卒業した。