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そんな二人の後ろ姿をぼんやりと見ていると、目黒が手招きして来た。 どことなく悪い顔をしているように見えるのは、照明のせいだろうか。
岩本くんちょっと。
口元に人差し指を立てているところを見ると、どうやら二人に内緒で何か悪巧みを思いついたらしい。二人を振り返ると、可愛らしいメンバーカラーの緑と青の浴衣の子供たちの背中が仲良く並んで座っていて、小さな阿部が大人が使うような言葉遣いで、これまた小さな翔太にわかりやすいようにニュースを解説しているのが見えた。なんだか可笑しい。テレビではちょうど天気予報をやっている。予報によると、明日も快晴のようだ。相当暑いらしい。
💛「なんだよ」
こちらも小声で返す。
🖤「俺、阿部ちゃんともう一度お風呂行きたいんだけど、協力して?」
💛「バカ。水は危ないって言われたろ」
🖤「だってせっかくの旅行なのに俺まだ全然阿部ちゃんといちゃついてない。岩本くんだってそうでしょ」
💛「まあ、それは」
俺だって多少つまらないなとは思っていた。元に戻るまで翔太に手出し出来ないなんて。翔太も阿部も愛くるしい子供に変わってしまったせいで、この旅の間、残念ながら、愛し合うことはお預けだ。みんな仕事もあるし、明日には東京に帰らなければならない。二人を気遣って酒も飲めなかったし…。俺も考えれば考えるほど、不満が募って来た。
💛「………どうするんだ?」
🖤「あ。いいコト思いついた」
どうせロクなことではないのだろうが、目黒は作り笑顔で翔太に声を掛けた。
🖤「しょっぴー。アイス食べたくない?」
💙「え!食べる食べる」
🖤「売店にあったよ。一緒に買いに行こう」
💙「行く。照と阿部ちゃんの分も買って来る。何がいい?」
せっかくの宿のご馳走を思う存分食べられなかった翔太は突然のアイスの提案に大乗り気で俺たちのリクエストを聞くと、いそいそと目黒を先導するように部屋を出て行った。
部屋には阿部と俺だけが残された。
💚「翔太、子供みたいで可愛いね」
そう笑うあどけない笑顔の阿部も子供だけれど。子供時代の阿部を初めて生で見たが、今と同じく睫毛が長くて、くりん、とした目が印象的なそれはそれは愛らしい子供だった。
💛「阿部も可愛いよ」
そんな本音が思わずぽろりと出てしまい、阿部が顔を赤くする。照れた様子も可愛らしくて思わず頭を撫でた。
💚「くすぐったいよ、照…」
はにかむ阿部はさらに可愛い。
💛「いくつくらいかな?」
💚「俺たち?………さあ。5,6歳かなあ」
💛「子供用の浴衣もちょっと大きいもんね」
💚「うん。歩く幅も狭くて、背も低いから、来た時より部屋が随分広く感じる」
💛「なるほど」
確かに子供の頃よく遊んだ公園が、大人になって立ち寄ったらなんてことない狭い児童公園に見えたことがあった。
身体が小さいというのは、いろんな感覚が変わるのかもしれないな。
こうして向き合ってみると、俺たち父親と子供みたいだなと思いながら、あれこれと話していると、買い物から戻って来た翔太が、俺と阿部の間に無理に割って入って来た。
💙「おい、俺のいないところでいちゃいちゃするな」
してないよ、と言い、そのまま翔太を持ち上げて、ひょいっと膝に乗せる。嫌がる翔太は少し暴れていたが、腰をガッチリ掴むとやがて諦めたようで俺の膝の上にすっぽりおさまった。
💙「ん」
差し出されたアイスチョコバーを受け取り、舐め始める。腕の中で翔太もお揃いのアイスを美味そうに頬張っていた。
💙「あまい。うまい」
可愛いな。よしよししていると、横から目黒の大きな声がした。
🖤「ごめん!阿部ちゃん!あーあーあーあー」
目黒の回りくどい作戦がとうとう始まったようだ。どうなったらそうなるのか、気づけば阿部はひっくり返ったバニラアイスで身体中ぐちょぐちょになっていた。
💚「もう、めめ。どうすんのこれ」
🖤「髪の毛にも付いてる…。仕方ない、阿部ちゃん、お風呂行こう?」
本当に演技派なのだろうかと言いたくなるような棒読み台詞で、目黒が阿部を風呂へと誘導している。阿部は阿部でその天然ぶりを発揮し、何の疑いもなく残ったアイスを片付けると、目黒に手を引かれるまま、2人揃って部屋を出て行った。
→第6話 michiruさん
コメント
3件
あらまぁ〜😆😆😆😆
ちょっと〜(*゚∀゚*) めめ🖤ったら〜💦
わー悪い旦那だこと😎🖤💚