テラーノベル
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「っと、危ねえな」
圭ちゃんが咄嗟に手を伸ばし、俺の腰を抱き寄せていた。
(………!)
息が止まりそうになる。
(け、圭ちゃんに抱き寄せられてる…っ?!)
温かい体温としっかりとした腕の感触が背中に伝わってくる。
(近すぎて…やばい……っ)
「ご、ごめん!ありがと圭ちゃん…っ」
声が震えた。
「気をつけろよな」
圭ちゃんがゆっくりと手を離す。それでも俺はまだ硬直したままだった。
(どうしよう…っ、顔熱い…まだドキドキしてる…)
夜風に撫でられても一向に冷めない頬の熱。
(なんでこんなに意識しちゃうんだろ……っ)
その様子を見て圭ちゃんが小さく笑う。
「りゅうってホント分かりやすいよな」
「えっ?な、なんのこと?!」
「顔真っ赤」
「しょっ、しょうがないじゃん……!好きなん、だからさ」
勢いで出た言葉が照れ隠しにもならないことに気づき、余計に恥ずかしくなる。
「俺のこと?」
「う、うん」
圭ちゃんはますますおかしそうに笑っていた。
◆◇◆◇
駅までの道を並んで歩く。
さっきの出来事が頭から離れなくて、ずっと顔が熱い。
「お前、まだ照れてんの?」
「ち、違うよ!これは…その……っ」
「ふーん。まあいいけど。りゅうってほんと純粋だよな」
「そ、そんなこと……っ」
図星を指されて言葉に詰まる。
だってしょうがないじゃないか。
今まで恋人なんて出来たことなかったし
ましてや、ずっと好きだった圭ちゃんと付き合えてるんだから舞い上がらない方が無理がある。
「りゅう、意識しすぎな」
「…ぅ……っ」
ダメだ……。
圭ちゃんは本当にズルい。
いつもこうやって人の心を見透かすようなことを言う。
そしてそれを無意識にやってのけるところが何よりタチが悪いのだ。
「ていうかりゅうってさ」
「な、何?」
「俺のこと好きすぎだよな」
ニヤリと口角を上げて意地悪な顔を向けてくる。
「え…っ」
「図星?」
「うん…好き、だよ、圭ちゃんのこと……すごく好き」
勇気を振り絞って吐露する。
言い終わってから(な、なんかキモいかな、今の言い方…)と後悔していると
「素直過ぎ」
圭ちゃんはクスッと笑った。
「そういうとこが可愛いんだけど」
「かっ?!……可愛くないよっ!」
「可愛い超えて、あざといか」
「し、知らないっ!」
◆◇◆◇
駅に着いた頃にはすっかり夜になっていて、改札を通る人々の姿が増え始めていた。
「んじゃ、帰るか」
圭ちゃんの言葉に俺はコクリと首肯すると、改札へ向かって歩き出した。
(今日は色々あったけど、圭ちゃんとデートできて楽しかったなぁ)
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そんなことを考えながら
自然と緩んでしまう頬を両手でそっと押さえ、ホームへの階段を上った。
コメント
1件
おー!!第7話、めっちゃエモかったです…!!😭💕 咄嗟の抱き寄せからの「好きなん、だからさ」の流れ、あまりにも尊すぎて壁ドンならぬ布団ドンしちゃいました!! 圭ちゃんの余裕ある感じとりゅうくんの純粋で真っ赤になっちゃう感じの温度差がたまらないですね…「素直過ぎ」「そういうとこが可愛い」とかズルすぎる〜〜!!(๑>◡<๑)💖 次回も楽しみにしてます!猫塚ルイさん、尊いをありがとうございます⋆♡