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野々さくら
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#ラブコメ
猫塚ルイ

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それから、数日後のこと
放課後の喧騒から少し離れた静かな空間で、俺は
胸の中でずっと燻らせていた疑問を、ついに言葉にする決意を固めていた。
心臓がうるさいくらいに脈打ち、手のひらにじっとりとした汗がにじむ。
「……圭ちゃん、1個聞いてもいい?」
努めて冷静さを装ったつもりだったが、声がわずかに震えてしまう。
机に頬杖をつき、スマホをいじっていた圭ちゃんが、億劫そうに視線をこちらに向けた。
「ん?」
「圭ちゃんってさ、俺とどこまで出来るとか、あるの……?」
勇気を振り絞って、喉の奥から絞り出すように問いかけた。
その言葉に、圭ちゃんはスマホを操作する手を止め、怪訝そうに眉をひそめる。
「どこまでって……何が?」
核心を避けるような問い返しに、俺はさらに耳まで熱くなるのを感じながら、言葉を繋いだ。
「その…手を繋ぐとか、ハグとか、キスとか、それ以上とか。圭ちゃんの中で、俺に対する許容範囲ってどこまでなのかなって……」
一気にまくし立てると、圭ちゃんはあからさまに不機嫌そうな表情を浮かべ
子供のように口を尖らせた。
その反応に、俺の心臓は嫌な音を立てて跳ね上がる。
「許容範囲って……まるで俺が、お前とそういうことしたくないみたいじゃね?」
「え?だって、圭ちゃんノンケだし……。俺一人で舞い上がって、後から圭ちゃんに萎えられるの嫌だから…か、確認っていうか……?」
嫌われたくない、幻滅されたくない。
そんな自己防衛の言い訳を早口で捲し立てる俺を
圭ちゃんは冷ややかな、だけどどこか呆れたような目で見つめてくる。
「お前、変なとこ冷静だよな~」
「れ、冷静っていうか…男、同士だし……。一度キスしてもらえたからって、俺ばっかり求めてたら、そのうち圭ちゃんに愛想尽かされそうで…怖くて」
卑屈な言葉がポロポロと溢れ出す。
そんな俺の様子を見て、圭ちゃんは深くため息をついた。
「いや、ネガティブすぎ」
「ネガティブにもなるって……! 付き合えただけでも、俺にとっては奇跡みたいに幸せで…だからこそ、圭ちゃんにずっと好かれてたいし……萎えられるのが、本当に怖いんだよ」
不安で押しつぶされそうな胸の内を吐露すると、圭ちゃんは少しバツが悪そうに視線を泳がせた。
そして、髪をがしがしと掻きむしりながら、ぶっきらぼうに呟く。
「……別にさ、俺だってりゅうとそういうことしたくないわけじゃねぇよ?」
「……え?」
思わぬ言葉に、俺は目を見開いた。
「俺だって、男だし。それなりの欲はあるし」
「き、キス以上のことも……?」