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「アンタも付いてくるのか」
新幹線を待つ駅のホームで、缶ビール片手に持った磯名路がつぶやく
「なんだいその態度は?せっかく経費で新婚旅行に行けるってのに」
女は腕を組みながら偉そうに言う
「あんなド田舎、草と土しかないだろ。それに……いや、なんでもない」
磯名路は手に持つ缶ビールを揺らしながら答える
「これだから都会っ子は。自然の良さが分からないのかねぇ」
女がどこぞの口うるさい老害のようにそう呟く
―――カシュッ
磯名路は女の言葉を無視して缶ビールを開ける
「おい、仕事中だぞ。酒飲むなよ」
女はそう言い肘でつつく
「移動時間は仕事に含まれねぇだろ」
磯名路は缶ビールの縁に唇をつけながらそう言う
「含まれますー。業務遂行のための指揮命令下で行われる移動はお給料発生するんで」
女は胸の前で腕でばってんを作りながら言う
「そんなん関係ねぇよ」
磯名路はそう言うと一気に飲み干した
「あ~!コイツ仕事中に酒飲んだ!ずるい私も飲む」
女はそう言うと磯名路から缶ビールを奪うと一気に傾ける
「ほぼ空じゃん!」
「そりゃぁ135㎖缶だからな」
磯名路はそう言うと空になった缶ビールを取り戻し、軽く振るってみせる
「小っちゃ。135㎖缶なんてお供え物くらいにしか用途無いでしょ、ここ来る前にお墓参りでも行って来たの?」
女は小さく笑いながら聞く
「あぁ、行こうと思ったけどやめた」
磯名路はそう言うと駅のごみ箱に空き缶を捨てる
「この薄情者め」
「いいんだよ、死人に口なしなんだから」
「―――望くんはさぁ人が死んだらどうなると思う?」
窓一つ無い小さな部屋で咳坂 結羅《せきさか ゆら》は問いかける
「どうなるって?人は死んだら終わりじゃないですか」
そう言いながらトランプを2枚を引く
「そう、人間は死んだら灰になって『はい、さいなら』なの。」
そう言いながら結羅もトランプを引く
「あ、ビッド」
望《のぞむ》が手に持ったトランプを見つめながら言う
「でもさ、人間はウン百万かけてお葬式して、お墓を立てて、毎年毎年お盆になるとお墓参りに行くんだよ」
そう言いながらもう一枚トランプを引く
「―――なんでだと思う?あ、コール」
結羅はそう言うとドヤ顔で手札を広げた
「―――フルハウス」
「……フラッシュ」
望は悔しそうに机の上に積まれたチップ代わりのオセロのコマを見ながら言う
「はい~望くんの負けぇ。望くんは本当にポーカーよわいよねぇ」
結羅はそう言うと机の上に置いてあるオセロのコマを全てかっさらっていった
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