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どうも〜!みなさんこんにちは!主の凪です!
主の雑談の第16話でもお話した通り、新作です!
こちらは、病み系集となっております。(告知では病み系短編集と言ったんですが、短編ではないため集にさせていただきました。)
苦手な方は回れ右でお願いします。
今回のペアは桃くん✕青くんです!
⚠リスカ表現あり。ご本人様との関係は一切ございません。視点がコロコロ変わります。⚠
〜桃視点〜
最近、俺の彼女の青の元気が無い。
少し前までは連絡したらその日の内に帰ってきていたのに、最近は3日位開けて返信してきたり、放送の頻度が減った。
いや、ほとんどしていないと言っても過言ではない。しかも、あれだけ熱心に続けていた毎日投稿も三週間前から止まっている。
SNSのコメントでは、青を心配する声で埋もれている。
気になって家に行ったら俺と目を合わせてくれなくて、「どうした?」って聞いても「なんでもないよ」と明らかに無理した笑顔で笑いかけてくる。
俺がしつこく聞こうとすると、「なんでも無いって言ってんじゃん!」と怒鳴って勢いよく扉を閉められた。
青がこうなるのにも心当たりはついている。
きっとアンチだろう。
俺たちの職業上、アンチがつくのは当たり前でしょうがないことだ。
でも、心無い言葉を掛け続けられると人間なのだから精神は削られていく。
今日、もう一回青の家に行ってみよう。
〜青視点〜
僕は最近おかしい。
自分でも分かっているのに、ネジが外れたみたいに動けない。
何年も続けてきた毎日投稿も気付けば止まっていて、放送もやっていない。
本当の事を言ってしまえば、SNSは一個も開いていない。
彼氏の桃くんは心配して僕に毎日メッセージをくれる。
でも、そんな桃くんにも返信が出来ていない。
ご飯もろくに食べていないし、外に出たのも何日前かさえ分からない。
『放送をしなくちゃいけない。』『動画を投稿しなければいけない。』
頭では分かっているのに、動けない。
でも、一つだけ活力が湧くものがある。
そう。リスカだ。
やっちゃいけない事だと分かっているし、桃くんにバレたら引かれるかも知れない。
もしかしたら、別れを告げられるかも知れない。
でも、自分の血を見ると『生きてる』という実感を感じられる。
今日も愛犬のタピちゃんにご飯をあげてから、直ぐに部屋に籠もってベットでボーッとする。
青「カッター‥‥‥。」
いつもの定位置の下から三段目にある棚の引き出しを開けると、僕を生かす物があった。
いつもどおりに無言で、無心でカッターの刃先を腕に当て続ける。
青「僕は生きてるんだ。」
桃「青‥‥‥‥!?」
青「え‥‥‥‥‥?」
〜桃視点〜
思い立ったら即行動タイプの俺は、支度をして直ぐに青の家に向かった。
ピンポーン
‥‥‥‥‥‥‥
出ない。
しょうがない、合鍵で入るか。
ガチャ
桃「お邪魔しま〜す」
‥‥‥‥
あれ?玄関には青の靴あるから出掛けてないと思うんだけど。
少し奥に進んでいくと、突然鉄のような匂いが鼻を掠めた。
桃「青!?どこに居る!?」
俺は青が危険だと直感で感じた。
匂いの元を辿っていくと、ある部屋に辿り着いた。
桃「なんで寝室に居るんだ‥‥?」
もしかしたら寝ているのかも知れないと思い、静かに扉を開けると中は真っ暗で人が部屋の隅いる気配がした。
スマホのライトで辺りを照らすと、感情の無いロボットの様にリスカをしている青がいた。
俺は思わず叫んでいた。
桃「青‥‥‥‥?」
俺が居ることに気が付いたのか、青は驚いた様な表情を見せて
青「え‥‥‥‥‥?」
と呟いた。
〜青視点〜
桃くんに見られた。
桃くんに嫌われちゃう。
桃くんと別れちゃう。
そんな考えが頭を駆け巡った。
あれ、立つのってどうやるんだっけ?
気付いたら僕は意識を失っていた。
〜桃視点〜
青が急に気を失った。
桃「青!?」
きっと貧血で倒れたんだろう。
床に倒れる直前で俺が受け止めたから怪我はしていないはずだ。
ベットに青を寝かせ傷の手当をし、荒れ果てている家の掃除をした。
家の様子は以前の青とは似ても似つか無いほどにも荒れていた。
桃「青、話してくれよ。」
ベットで静かに寝ている青に問いかけた。
君はその小さな体で抱えきれない程の何を背負っているの?
〜青視点〜
目を開ければ、部屋に明るい光が差し込んでいた。
あれ?僕は何をしていたんだっけ?
自分の周りを見渡してみる。
すると、そこには静かに眠っている僕の大好きな人の寝顔があった。
青「‥‥!」
思い出した。
そうだ、昨日リスカをしていたら桃くんが来て僕はそのまま気を失ったんだ。
その事に気が付いた僕は恐怖が襲ってきて、呼吸が荒くなっていた。
だめ。桃くんが起きちゃう。
静かにしなきゃ。
怒られちゃう。
僕の思考とは真逆にどんどん荒くなっていく呼吸。
青「ハァッハァッハァッ」
苦しい。
どうしていいか分からずパニック状態に陥った時、ふと背中に暖かいものが触れた。
桃「大丈夫。」
青「桃くん‥…。」
彼の一言で、荒くなっていた呼吸は落ち着いてその変わりに涙が出てきた。
桃「青。なにがあったのかは俺には分からないけど、俺は青の味方だからな?」
耳元で僕の大好きな声が聞こえて、リスカをするよりも大きな『生きてる』感覚がした。
青「うん。 桃くん!」
桃「な〜に?」
青「大好きだよ!」
桃「フッ。俺も。」