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皐月side
タイマンが終わって暫く立った。
町に行っても風鈴生と会うのが少なくなったのは獅子頭取と仲良くなったからだろう…。
久々にポトスで飯でも食おうかなぁ……。
皐月『橘〜!お久〜!』
橘「皐月!?アンタ怪我してたんでしょ!?もう大丈夫なの!?」
皐月『そんな慌てんでも俺はへーき!この通りピンピンしてらぁ!』
橘「……、アンタがタイマンの時帰ってこなくて、病院行ったって言われたから心配してたのよ…。」
橘は不安そうに喋りかけてきた…。
そりゃそうだよなぁ、前日に居た奴が居ないんだもんな…。
皐月『やー!ごめんごめん!確かに頭を診てもらうのもあったけど薬も貰わないと行けなくてさ!丁度良かったんだよ!』
橘「あー!もう!心配して損した!!お詫びに片付けとか手伝ってよね!」
皐月『おう!任せろ!』
昼間のピークが過ぎて洗い物を中心に仕事を進める…。
橘「皐月〜?この玉ねぎみじん切りにしておいてくれる?」
皐月『おー!任せてくれ〜!』
包丁を手に取っていざ切ろうとすると……
目の前が真っ暗になった……。
音も、声も聞こえる…、目が、見えなくなった…?
身体が震える、こんなにも早いのか……?
だって、つい昨日先生に会って……、こんな…こんなんじゃ……。
橘side
皐月固まったまま動かないわね…どうしたのかしら?
橘「(ポン)皐月?どうしたの?」
皐月『ヒッ!?』
皐月は何かに驚いたかのようにしゃがみ込んだ。
橘「皐月!?大丈夫?まだ怪我治ってなかったの!?どうしよ、う、梅呼ぶから待ってて!」
私が梅と言った瞬間
皐月『待って!ダメだ、言わないで…皆には言わないで…、お願い……。』
こんなに弱った皐月見た事ない……。いつもお調子者で時には頼りになるあの皐月が……、こんなにも怯えてる……。
橘「…ねぇ、どうして皐月は怖がってるの?何か…理由があるのよね?」
私が話しても皐月は座ったまま何も言わない。
橘「……私ね、皐月の強い所も好きだし、頼れる所も、面白い皐月も好きよ、だから、離してくれない?大丈夫、アイツらには言わないから……。」
私が言うと目を真っ赤にした皐月が渋々喋り始めた……。
橘「アンタそんなこと隠してたの!?ダメじゃない!」
皐月『…俺、ここに来てよかったと思ったんだ…、初めて好きになれた町で…初めて頼れるし好きに慣れた奴等ばかりだから……、橘の言い分もわかる…でも、俺はここで生きていた事を誇りに思いたい…!』
皐月の目に迷いはなかった……。
私は、本来なら止めなきゃいけないのに……皐月の心を知ってしまった以上…、止めるわけにはいかない…彼は、皐月は全てを背負った状態で自分を犠牲にしているのだから…。
橘「…なら、約束して…。」
皐月『約束?』
橘「本当に苦しい時は私に連絡しなさい!!あんたを、皐月を…一人にしたくない!」
皐月side
その辺の男よりカッコイイな…。
皐月『…うん、約束する、橘はカッコイイなぁ!俺が女なら惚れてるよ…。』
橘「惚れなさい!そしたら私はあんたを絶対逃がさないから!」
強い眼差し、俺を見る真っ直ぐな目線……。
皐月『ははっ!したら俺はもう橘に惚れてらァ!』