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続きか気になりすぎる…!!
あの夏の日に僕達は死んだ
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高校生活最後の夏休み前
僕はいつも通り友達と喋りながら帰っていた
kn:そういえば、
smは何処の大学に行きたいの
sm:んー、別に。何処でもいいかな。
knは行きたいとこでもあるの
kn:いや、ないかな。
ごく当たり前の
いつもと何一つ変わらない日々。
蝉は木に止まり、鳴いている。
ランドセルを背負った子供は
公園で遊んでいる
風は吹き、気温は40°を上回る。
kn:それにしても、最近急に暑くなったよね
sm:そうだね…。
kn:ねぇ、今日俺の家で遊ばない?
アイスあるからさ。
sm:あー、いいよ。
kn:じゃ、俺こっちだから。また後でね。
sm:ん、またね。
そう言って僕は手を振る。
ガチャ
玄関を開く。
sm:ただいま…。
母:チッ、喋らないで。気色悪い。
sm:…。
また、玄関が開いた。
sm弟:ただいまー。
母:あら、おかえり!
sm弟:お母さん!俺、テストで百点取ったの!
母:あら!流石私の子供!
それに比べて、お前は何にも出来ないのね
sm:…ッ
俺は何も言えなかった。
何も出来ないのは本当の事だから。
勉強は?
出来ない。
運動は?
出来ない。
料理は?
出来ない。
じゃあ、貴方には何ができるの?
何も出来ない。
本当の事。
弟とは大違い。
だって、
弟は今の父親の子供じゃないから。
sm:行ってきます…。
返事は当然かえってこない。
ピーンポーン
インターホンを鳴らす。
ガチャ
kn:あ、やっと来た。
sm:ごめん、遅れた。
そう言って俺は中に入る。
kn:アイス、何味がいい?
sm:…バニラかな。
kn:幼稚園からずっとバニラだよね。
美味しいの?
sm:別に、普通。
俺達は幼稚園の頃からの友達。
kn:sm、家族とどうなの、
あれから何か変わったの?
sm:あれから…って?
kn:不倫だよ。父親、変わったんでしょ?
sm:いつの話だよ。
kn:あれから10年経つけど。
sm:まぁ、普通かな。 強いていえば、
弟がなんでも出来る…ってぐらいかな。
kn:ふーん、smよりもいいんだ。
sm:俺は普通だよ。
kn:それ、お前よりテストの点数低い人に
言わないでよ。
sm:…。
何気ない会話。
友達といた方が落ち着く。
このままずっと、
時間が止まればいいのに。
なんてね…。