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放課後の教室。
夕日が机をオレンジ色に染めている中、ひろは一人で窓の外を眺めていた。
うり「まだ帰ってなかったのかよ」
突然の声に振り向くと、ドアのところにうりが立っている。
ひろ「うりこそ」
うり「俺はたまたま通っただけ〜」
そう言いながら、うりはひろの隣の席に座る。
少しの沈黙。
いつもなら気にならないのに、今日は妙に落ち着かない。
うり「なあ」
ひろ「んー?」
うり「最近さ、俺のこと避けてね?」
その一言に、心臓が一瞬強く跳ねた。
ひろ「別に、避けてないよ」
うり「ほんとに?」
ひろ「……うん」
目を合わせられないまま答えると、うりはじっとこちらを見てくる。
うり「じゃあなんで今、目そらした?」
ひろ「そらしてな…」
うり「いや、そらしてたって」
軽く笑いながら言うけど、その目は真剣だった。
逃げたいのに、逃げられない。
うり「なあ、ひろくん」
ひろ「なに」
うり「俺のこと、なんか意識してる?」
ひろ「え?」
思わず顔を上げると、うりと目が合う。
距離が、近い。
うり「図星?」
ひろ「……違う」
うり「ほんとに?」
じり、と距離が詰まる。
ひろ「……近い」
うり「逃げんなよ」
そのまま、目を逸らすこともできずに固まる。
うり「俺さ」
ひろ「……」
うり「ひろくんといるの、普通に好きなんだけど」
その言葉が、胸の奥に落ちてくる。
ひろ「……そういうの、軽く言わないでよ」
うり「軽くねーよ」
即答だった。
うり「だから聞いてんじゃん。避けてる理由」
言葉が出てこない。
でも、もう誤魔化せない気がした。
ひろ「……うりといると、変に意識するから」
うり「へぇ」
ひろ「それが嫌で、ちょっと距離置いてただけ」
しばらくの沈黙。
うり「なにそれ」
次の瞬間、うりが小さく笑った。
うり「じゃあ同じじゃん」
ひろ「は?」
うり「俺もだし」
その一言で、思考が止まる。
うり「意識してるから、気づいたんだよ」
静かに言われた言葉に、心臓がまた強く鳴った。
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