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朝の喧騒に紛れるように聞こえてくる悪口。
いつからだったのだろうか。
いや、自分の勘違いで初めからそうだったのかもしれない。
中学3年生青柳那月。
ある日から俺は幽霊になった。
「ねぇ、なにこれ」
「っ…………」
「なんだって聞いてんだよ!!答えろよ」
「………………」
タッタッタッタッ
「ちっ……」
「はぁはぁはぁ……なん、で…こんな、こ、と」
この日からだった。
クラスから、学年全員から、無視され始めたのは
何もしてないのに無視されて暴言言われて。
本当に突然だった。
家に帰ってもなんだか苦しくて、親にも何も言えなくて、真っ暗な闇の中で1人行く宛てもなく歩いているようだった。
「ねぇ、那月。休みの間叔父さんの家に泊まりに行きなよ」
「え?なんで?」
俺の学校はもうすぐ夏休みに入ろうとしていた頃だった。お母さんからそんな提案をされたのは。
「たまには環境を変えて過ごしてみてもいいんじゃないかしらと思って」
「そう。じゃあ、そうさしてもらう」
「分かったわ。叔父さんにも伝えておくわね。」
もしかしたら、お母さんは何かあったことに気がついていたのかもしれない。
……久々だな叔父さんの家行くの
少しは、楽になれる、か、な……
「っ………………」
ポロポロ……
「もお、やめ、たい、なぁ………………カッター、どこだったっけ……」
ガサゴソ
「……あ、あった」
ダメなのは分かってる。
でも、辞められない。
「っ……はぁ……」
「……那月…大丈夫かしら」
「一旦は叔父さんに任せるんだろう?自分には話してくれないだろうからって」
「そう、ね。兄さんに任せましょう……」
ポロポロポロポロ
…………俺って邪魔な、存、在……?
ここにいちゃ、いけない……?
大、丈夫、だよ、ね?
あーあ、、準備、しよ……
「那月?そろそろ行くわよ?」
「うん。」
今日は叔父さんの家に行く日。
荷物持って、夏休み終わる直前ぐらいまではお世話になる、らしい
行ったところでどうなる訳でもないのに……
学校も、無視される前から何故かとても疲れて家に帰ってくると風船の空気が抜けるように力が入りづらくなることも少なくなかった。
今更変わることなんてないのにな……