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海上自衛隊の基地がある海にも、夜がやってきました。
フェンラリー艦長は、自分の部屋の机に伏せています
フ「あ~疲れた〜」
その姿は、いつものクールな彼女と違い、少し子供らしさが出ています。
フ「ベーマンは大丈夫かな…」
フ「あ~あ…アイツの目が見えないの、どうにか出来ないかなぁ…」
そのセリフの通り、フェンラリー艦長は前からずっと
ベーマンの失明を治せないか考えていました。
フ「…目が見えたほうが、アイツにとって楽だと思うんだけどな…」
フェンラリー艦長は、ベーマンの目が見えず、ちょくちょくミスをしてしまうことに
嫌気をさしているわけではありません。
ただ、彼女なりに彼のためを思って考えているだけです
フ「…ベーマンに聞いたらなんか分かるかな…」
と、つぶやいたとき、部屋のドアがノックされます。
フェンラリー艦長はドアを開けます。
べ「あ!フェンラリー艦長…良かった、居たんですね」
フ「ベーマンか。何のようだ?」
フェンラリー艦長はいつものように接します。もちろん、
ベーマンに目のことを聞きたいと思ってたのは内緒です
ベーマンは、ポケットから紙を取り出します。
べ「この紙を、フェンラリー艦長に渡してほしいって…館内3エリアの方から」
フ「…報告書か」
フ「すまないな、わざわざ届けに来てくれるなんて」
べ「いえいえ…」
フェンラリー艦長は、平然を装っていますが、内心は目のことを聞くかどうか迷っています
それでもやっぱり放っておけないフェンラリー艦長は、思い切って聞いてみることにしました。
フ「…ベーマンは…なんで目が見えなくなったんだ?」
べ「え?」
ベーマンは、突然の質問に少し驚きながらも、答えます
べ「…僕は、幼い頃にかかった病気のせいで、目が見えなくなってしまいました」
べ「…それと、なにか関係があるんですか?フェンラリー艦長。」
フ「あぁ、いや…気になっただけだ。すまない、障害のことを聞いてしまって…」
べ「大丈夫ですよ、全然嫌ではありませんし」
フ「そうか…」
フェンラリー艦長は、少し黙ってから、またベーマンに聞いてみました
フ「…目はもう治らないのか?」
べ「まぁ…もっとよく探せばあるかも知れませんけど、治す方法は…」
フ「そう…なのか。 」
べ「ところで艦長は、なんで急にこんなこと聞いたんですか?」
フ「いや…!その…別に…」
ベーマンはすこし首を傾げますが、
すぐにまたニコニコした顔に戻ります
べ「まぁ、フェンラリー艦長なりの理由があるんですよね!」
べ「そんなに深く理由を聞いても、教えたくないこともあるんですから、そういうことにしておきます!」
フ「あ、あぁ。そういうことにしといてくれ」
彼があまり深く聞かなかったことに安心しながらも、正直に言えばよかったという気持ちが
交じる中、フェンラリー艦長はベーマンを見送り、部屋の中に入ります。
フ「……」
フ「…治らないのかぁ…」
そう呟き、机に伏せるフェンラリー艦長は、どこか残念そうな…悲しそうな…
そんな表情でした。
でも、フェンラリー艦長はまだ諦めてはいません。
彼が望むかは分からないですが、いつかベーマンの目を見えるようにしてあげたいと思っています。
さぁ、もうすぐ消灯時間です