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それからの練習はきつかった。森然との試合を初めにして、その後に音駒、生川との試合。全部ボロ負け。僕たちはフライング三昧だった。僕とか西谷さんはリベロだし慣れてるけど、山口くんとかがたまに顎をかすっちゃって痛そうだ。
「次が梟谷かぁ!確かあの木兎ってやつがいるだよな?全国5本指エース!」
田中さんがフライング後のドリンク補給中に梟谷についてのやっさんに聞いている。この2人は割と強い相手でもゴリ押しで勝とうとするらしい。流石に木兎先輩相手にはきついんじゃないかなとは思うけど。
そう思っているところにドスドスという足跡が近づいてくる。
「おー!やっと来たかよ烏野!明希に打つのは久しぶりだからすっげーワクワクする!」
「噂をすればなんちゃらってやつ?木兎先輩。」
「?なんだそれ?誰か俺のこと話してたのか⁉︎」
「そうだね。木兎先輩が凄いってみんなで言ってたよ。」
「まじかよ!今日からコテンッパンにしてやっからな!覚悟しろよ明希!」
「はぁーい。がんばりまーす。」
音駒との試合を終えた木兎先輩が1人でこっちに突っ込んできたのだ。あの人の頭には休憩と言うものがないのだろうか。いや、しょぼくれてる時に休憩してんのか。効率がいいな。
「次ー!梟谷と始めるよ!みんなコート整列!」
武田先生の号令でみんなドリンクを置きコートに走り出す。
ピーーー!
「よろしくお願いしぁーす!!」
笛の音と一緒にみんなが挨拶をする。今回のスタメンは梟谷にどのぐらい通用するのか調べるためにIHの時のものと同じにしているらしい。日向くんと影山くんはさっき合流した。リベロは僕になってるけどね。
最初は猿先輩のサーブ。猿先輩は体こそでかいしスパイクとかはすごいけれど、サーブのコントロールはそこまでない。まだ取りやすい方だ。もちろんここで取らないとリベロとしての面目がたたないので綺麗に上げる。その先にはセッターの影山くん。そこから日向くんにトスが行き、ブロードで点を取っていく。
試合は進み、2セット連続で梟谷に取られたため烏野はペナルティでフライング。今日の試合はここが最後だったからすぐにみんなご飯を食べた後、風呂に入った。
風呂からあがった後に飲むのはやっぱり牛乳。これが一番美味しい。特にフルーツ牛乳が好きだ。
「やっぱそれまだ好きなんだ?」
急に話しかけられ、そちらを見るとそこには風呂上がりの兄ちゃんがいた。
「お、兄ちゃん!兄ちゃんも飲む?美味しいよ」
「俺はいいよ別に。どっちかっていうとコーヒー牛乳派だし。」
「コーヒー牛乳って苦くて苦手だなー、コーヒーよりまじだけどそれでもやっぱ無理。」
「甘党だねー笑。そうだ、この後って消灯まで自由だよね?俺らの方の部屋こない?」
「んぇ!いいの!?行きたい行きたい!」
寝室は教室。各学校で部屋が分けられて、マネージャーは全体で女子部屋と男子部屋で分けられる。ちなむと先生たちはみんな同じ部屋らしい。つまり僕は烏野のみんなと寝るわけで。隣が日向くんということもあってギリギリまで抜け出しておこうと思っていたところだ。
「別に大丈夫でしょ。んじゃ行こ行こ。木兎さんたち今頃大富豪してるよ。」
「ルール理解できんのあの人?」
「多分木葉さんが必死に教えてるんじゃない?」
「あー、想像できる。それだわ。」
そんな会話をしつつ僕たちは梟谷教室に向かった。