◇◇◇◇◇
はい、エマさんよろしくお願いします!
まず、守衛に人に声をかけている。
「すいません。エメに取り次いで欲しいんですけど。エマが来たって言ってもらえれば、わかると思います。」
あら!すごい軽いね。大丈夫ですか?
「ん?王女様のこと言ってるのか?」
「そうです。お願いします!」
エマが、仮面を取って顔を見せた。
「え?あれ?王女様?あ!エマ様ですか!
すいません。失礼しました。本当に申し訳ございません。ただいま、確認して参ります。少々お待ちください!」
わー、めっちゃダッシュで行ってしもた。
横にいた守衛の人も恐縮して、守衛室で待つように案内してくれた。
それから、周りがバタバタして落ち着かん。ちょっと、落ち着いて欲しいんだけど……。
それから少し経って、先程の守衛の人と、もう1人女性の方が来た。
「まあ!エマ様〜!ご無沙汰しておりました!お元気そうで!よくお越しいただきました。」
「イザベラ!出迎えありがとう。今日はエメに会いに来たの。よろしくね!
お頭〜☆イザベラはエメのお付き侍女なんです。私も小さい時からお世話になってたんですよ。」
「お頭?……エマ様。この方たちは、どなたでしょうか?」
「あ、気にしないで!エメはいる?」
相変わらず、軽いね。
「はい、エメ様はいらっしゃいます。
ご案内いたします。どーぞこちらに。」
わー、ものすごい軽いノリで行っちゃったよ。
王城だよね。入れちゃうんや!
うわー!なんか内装がすげーよ!
「こちらのお部屋でお待ちください!
エメ様をお呼びして参ります。」
イザベラさんも急いで行っちゃったよ。
こうしてみると、やっぱりエマは、この国の王女様なんやなぁ!しみじみしみじみ。
「はい、お待たせ致しました。
エメ様〜お入りになりま〜す。」
「もう!大袈裟でしょ!
エマ!久しぶりだね!元気してた?
なんか雰囲気変わったね!
黒なんてあまり着なかったのに。
でも、似合ってるよ。」
「わー、エメだ!元気だよ。
似合ってるでしょ!へへへ。
みんなでお揃いなんだよ。いいでしょ!」
瓜二つ!服装でわかるけど、顔はそっくり。まじ双子やわ。
「エマ、この方たちはどなた?」
「へへへ。私のなかまです!」
「「「「私たち黒の軍団デス!!♡☆」」」」
ここでそれやる?
「はじめまして。僕はユメと申します。
ウサール王国エンジェル領イガタウンから来ました。冒険者をやっています。よろしくお願いします。
こちらは、ハガネ、コガネ、モニカ、同じく僕のなかまの冒険者です。肩に乗っているのが、マスコットのカグヤ様です。」
「ユメさん、ご丁寧にありがとうございます。
で、エマ!あなたもこの方たちのなかまっていうことよね。なんか想像がつかないんだけど、何があったの?
護衛も付けずに、ここにやってくるなんて、どうなってるのかしら?」
「エメ!そんなことより聞きたいことがあってきたの!
最近、この国の状況はどうなってるの?特にミラ様との関係とか。」
ミラ様とは、第一王女様のことらしい。
「そうね。表立っては動きは見えないようにしているみたいだけど、明らかにミラ様に怪しい動きが出ているみたいね。
噂では聞いていると思うけど、これはクーデターね。私も信じたくはなかったんだけど、各方面で調略の動きを掴んでいてね。その情報が皇王様の耳にも入っているの。
それでね、皇王様がミラ様に王都に来るように伝えたんだけど、来ないどころか、返事もまだないのよね。伝達に行った者も帰ってきてないのよ。」
「ミラ様どうしちゃったんだろう。やっぱり皇王になりたかったのかなぁ。
あのね、私も1ヶ月前くらいに襲撃にあったんだよ。誰が来たのかはわからないけど、そこから、エルザと西へ向かって、森ではぐれたところを、お頭に助けてもらったの。」
「え?そんな話聞いてないよ!
もう、どういうことなのよ!よく無事だったわね!エルザはどうしたの?」
「エルザも無事だよ。今はイガタウンのギルドにお世話になってる。
私もエルザと合流するまで、イガタウンにお世話になってたの!」
「え?イガタウンって、ウサール王国の西海岸にある街でしょ?
そこから、どうやってここまできたのよ?
もう、いろいろありすぎて混乱してきたわ。」
「それはね。私たち黒の軍団は、いろいろすごいんだよ!ここまで、半日で来たんだよ。すごいでしょ!」
それ言っちゃダメなやつなんやけど!
「横からすいません。僕たちいろいろ言えない事情がありまして、深く聞かないでもらえると助かります。」
「そんなわけにはいかないわ。いろいろ聞かせてもらうわよ!
とにかく、皇王様のところに行って話しましょう。あなたたちは、エマの恩人だし、エマが信用してるみたいだから、一緒に来てちょうだい。
イザベラ!皇王様に今から伺うと言ってきて!とにかく急ぎの用事と伝えてちょうだい!」
「はい、行って参ります。」
たしかに、顔はそっくりだけど、性格はかなり違うな。
でも、姉妹は仲良しだから、信頼できそうやな。
それじゃ、行きますか!皇王様ってどんな方やろ。緊張してきた。
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