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◇◇◇◇◇
僕たちは、皇王様の待つ部屋に着いた。
すでに、イザベラさんが部屋の前で待っている。一緒にいる人は誰だろ?
「ルーカス!あなたも来てくれたのね。」
「もちろんですよ。エメ様が急ぎの用事で皇王様にお会いするなんてよっぽどのことでしょう。私も聞いておく必要があります。」
「そうね。さすが、丞相ね。鼻が効くわね。」
丞相ってことは、国政のトップってことやんな。雲の上の人どんどん!
「エマ様!お久しぶりでございます。
お元気そうでなによりです。
黒もお似合いですね。
お揃いの衣装のこの方たちは?」
「「「「私たち黒の軍団デス!!♡☆」」」」
ここでもやるの?
メロイックサイン流行らせようとしてる?
「ほう、黒の軍団ですか……………。
まったく聞いたことないですね。」
なんやねん!知ってるんかと思たわ。
「はじめまして。僕はユメと申します。
ウサール王国エンジェル領イガタウンから来ました。冒険者をやっています。よろしくお願いします。」
「ほう、イガタウンですか……。
ずいぶん遠くから来られたんですね。
なるほど、あなたが黒の軍団のリーダーですね。こちらこそよろしくお願いしますね。
それじゃ、中に入りましょう。扉を開けてください。」
うわー、これ見たことある〜。玉座ってやつやん。空気重いな。
玉座の周りにひざまづいてるのは、近衛兵やな。それで、1人だけ色が違う鎧の人が近衛兵団長のジャックさんか。
この人BPが2500あるわ。やばいよ。
しかも、近衛兵はみんな1000超えてるやん。激ヤバ。
「黒の軍団は、エマ様の後ろに。」
玉座の前方にエメ様とエマが立っている。
僕たちも同じように、エマの後ろに立って、皇王様をお待ちしている。
ルーカスさんは、横の方に控えている。
「お頭〜☆ちょっと我慢しててね!」
相変わらず、軽いね!そこがいいんだけどね。
「皇王様、お入りに〜なられます〜!!」
皇王様がゆっくりと玉座に腰かける。
「エマ!久しぶりね。会えて嬉しいわ。
いろいろ聞きたいことがありますね。
あとでゆっくりお話ししましょうね。
ところでエメ!急用というのは何かしら?」
「はい、皇王様!単刀直入に言います。
1ヶ月前ほどに、エマが何者かに襲撃されたそうです。」
ここにいる人全員が驚いている。ざわざわ。
「エマ、無事で良かったわ。大変でしたね。
ところで、なぜすぐに知らせられなかったの?」
「皇王様、話すと長くなるんですけど、まず、私の後ろにいるのが、ユメさんがお頭の黒の軍団で、私の命の恩人です。
今は私もそこに入ってます。
それで、私が襲撃されてからのことを話すのは、黒の軍団のことも話さないといけないんで、ここではお話しできないです。」
ざわざわ。ざわざわ。
「エマ!その方達は信用できるのですね?」
「はい☆お頭からはずっと一緒にいたいと言ってもらいました。嬉しかったです!きゃっ!」
その言い方良くないよ!
絶対勘違いするから〜!
最後のきゃっ!ってやつ!
「わかりました。第一応接室に移りましょう。
ルーカスとジャックは一緒に来なさい。
エマ!それでいいわね?」
「はい、ありがとうございます☆
お頭〜☆いいですか〜?」
「はい、大丈夫です!」
第一応接室には、皇王様、エメ様、エマ、ルーカスさん、ジャックさん、黒の軍団だけ。
ジャックさんは、皇王様の横に立っている。
「それじゃ、エマ、何があったか話してもらえるかしら?」
エマから1ヶ月前の襲撃後の経緯を話すした。
城を出てエルザと2人で逃亡。
西に向かうことで追跡を免れる。
北の山から北の森を抜けて、エルザの友人のいるイガタウンを目指すも、途中の上位ゴブリンの群れに遭遇し、エルザと逸れる。
森で隠れていたが、食料もなくなり、希望を失っていたところをお頭に助けてもらう。
お頭の拠点のイガタウンに向かい、エルザの友人であるギルド支部長のソフィアさんに会う。エルザはすでにイガタウンに来ており、戻ってくるのを待つことに。
その間にエマがお頭と契約して黒の軍団入り。
そしてエルザと再会。
その次の日に皇国を目指し到着。所要時間半日で、カグヤ様のことは伏せて、黒の軍団は、特殊な移動手段を持っていることを伝える。
エマも王女でありながら、すでに冒険者登録していることも言ってある。
ランクが黒8であることを告げるとみんな驚いていた。というか不思議がっていた。
「ユメ!皇国代表として、そして母親として感謝します。ありがとう。
エマがまさかそんなことになってるとは知らなかったわ。本当に良かったわ。
状況から言って、ミラ、第一王女派のいずれかの仕業でしょうね。
もう、ここまで来たら、こちらから行動を起こさないと取り返しのつかないことになってしまうわね。
ルーカス!第一王女派と思われる領主全員を王都に来るように伝えなさい!」
「皇王様!お怒りはわかりますが、リスクが高すぎます。
今まで影で動いてたものが、下手をすれば、一気に表に出て反乱になる可能性もあります。
本当は、ミラ様と一度お話しできればいいのですが。
こちらから大挙することも同じことになるので、できませんし……。」
皇王様もそれは理解しているのか、長い長い沈黙が続いた。
◇◇◇◇◇