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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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俺は猛烈に惹かれてしまった。

もう他に目移りなんてできやしない。


完璧な助走、綺麗なフォーム、ジャンプ高さも申し分ない。そこから、高いトス。そこから 繰り広げられる強烈なスパイク。

それは、ブロックが着いても吹き飛ばしてしまうほどの威力で、あの人にトスが上がってしまえば、絶対に止めることが出来ない。

そして、1級品のレシーブにブロック。


それだけでは無い。

あの人の最大の武器はあの”左利き”。

いくらか優秀なリベロでも彼の左利きには到底かなわない。

バレー界や人間界において、圧倒的に右利きの方が多い。

右利きで打たれるスパイクに慣れてしまったら、左利きの逆回転を受け止める事は難しい。

正しく、彼は最強なのだ。



そう、全てが完璧。

それが、白鳥沢でエースを名乗る男。

牛島若利。



俺はあの人にトスを上げたいと思った。

俺のトスで、

俺が切り開いた、

あなたにとっての完璧なトスで、



俺は強いバレーがしたい。














____________________




白鳥沢からは推薦が来なかった。

それは極当たり前の事で、俺なんかが貰っていたらほぼ皆が推薦を貰っていただろう。


だから、俺は一般で受けた。

ただ、あの人にトスを上げたい一心で。


白鳥沢は宮城で1番頭の良い学校だ。

分かってはいたが、受験勉強はそんな楽なものでは無かった。

他の奴らが遊んで、だらけてる中でも、俺は勉強をした。

朝起きてから夜寝るまで、ずっと。

時には勉強のし過ぎで吐いてしまうなんて事もあった。



その甲斐あって無事白鳥沢に合格する事ができた。

その時は嬉しすぎてその場で泣き崩れた。

周りの人に声を掛けられる程だった。

でも、そんな事どうでもいいくらい。

これから、あの人にトスをあげることが出来るということに堪らなく嬉しかった。





入部初日。

あの人は、そこにいた。


他の人とは纏っている雰囲気が違っていた。

鋭い目つき。

高い身長。

がっしりとした体格。

全てが違う。

彼は、近い将来、きっと、いや、絶対に

遠い存在になってしまうのだろう。

入部早々、そう思わされた。



新入部員の自己紹介のが終わり、

ついに練習が始まった。

入念なストレッチとアップを行い、

体力づくりのため、ランニングをした。

距離は20キロ。

2・3年はこれを毎日行っているそうだ。

開始からペースの早い牛島さんはみるみるうちに見えなくなってしまった。


新入部員達は、牛島さんとは真逆で、どんどんペースが落ちていき、途中で倒れてるやつもいた。

推薦組はへばりながらも2・3年生達について行っている。

流石、と言っていい。


俺はと言えば最後尾と言っていいほど遅れをとっていた。

受験期は少しランニングをしていた程度で、体力は落ちている。

このままでは牛島さんにトスを上げるどころかレギュラーにもなれない。

下手をすればベンチ入りも怪しくなってくる。


俺は少しでもその目標に近づけるように、ペースを少しだけ上げた。










やっとゴールをした。

何分かかったのだろう、

既に牛島さんはゴールしていて、息も落ち着いている。

きっと、1番早くゴールしたんだ。


俺はと言えば、ペースを上げようとした瞬間に足を捻り、 近くにいた新入部員におぶってもらいながら最後尾でゴールした。

新入部員の名は、確か、川西と言ったか。

先に行けばよかったのに、とてもお人好しなやつだ。





























変なところで切ってすみません🙇‍♀️💦


「影山飛雄は聴こえない」は後々投稿しようと思ってます!

是非気長にお待ちください…😖🙏💦















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