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【第三章】海と精神の崩壊(11〜60日目)
11日目からは、心が静かに擦り切れていく日々が続いた。
晴れの日は悪くない。
漕ぐリズムが整い、潮風が心地よく、太陽は暑すぎる。
少しだけ”生きてる実感”を取り戻せる。
だが、曇りや雨の日は危険だ。
海と空の境界が曖昧になり、どこから来て、どこから向かっているのかわからなくなる。
時折、遠くの地平線に島と人の影が動く気がした。
しかし、蜃気楼だろう。
海に立つはずのない人影だ。
幻覚だとわかっていても、目を離すとまた現れる気がして、夜は眠れなかった。
30日目を過ぎる頃、俺はふと、回覧板を開きたい衝動に駆られた。
この孤独の理由が、中に書いてある気がしたからだ。
だが、開ければ全てが終わる。
それだけは心のどこかでわかっていた。
そして60日目。
悲劇が起こる。
コメント
5件
読み終えたよ。11日目から60日目にかけての"静かに擦り切れていく"表現、めちゃくちゃリアルだった……。特に曇りや雨の日、海と空の境界が曖昧になって方向感覚を失う描写にゾッとした。蜃気楼で人影が見えるのに夜眠れなくなる心理、わかる気がするよ。回覧板を開きたい衝動と「開ければ終わる」という直感のバランスも巧いな。そして60日目、悲劇——続きが気になりすぎる! 読み終えた直後の率直な感想はこんな感じだわ。連載楽しみにしてる。
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