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事務所の受付に澄子の弟だと言って取り次いでもらった。澄子はノブオの顔を見て一瞬目を輝かせたが、すぐに隙のない笑みを浮かべた。二人は近くの喫茶店に入った。「マリから聞きました。酷いじゃないか。ジョニーはあなたに振られて自暴自棄になっている。マリはともかく、あなたはジョニーに何の恨みも無いでしょう。」ノブオは澄子を責めた。「そう仰いますけど、男の方って女をすぐに棄てるのですわ。私のお友達が何人もそうして泣いておりますわ。ですから男の方も同じ思いをする必要があると思っていますわ。」澄子は負けていなかった。「世の中の男が皆そうじゃない。あなたはいったい何故男を敵視するんだ。」ノブオはムキになった。「敵視ではありませんわ。ただ女を甘く見て欲しくないだけですわ。」ノブオは澄子にそう言われて、(この女は余程気が強いらしい。もう言い争っても無駄のようだ。)と思い、黙ってコーヒーを飲み干すと、「言いたいことは言えたので、僕はもう帰ります。さようなら。」と言って伝票を持って席を立つと、「お待ちになって。」と澄子が呼び止めた。
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