────────ザー⋯⋯───────
「うっ⋯ううっ⋯」
大雨の夜。ある少年は血溜まりの中、1人で涙を流していた。
その血は母のものなのか、他人のものなのかは分からない。ただただ手についたソレを見つめて泣いていた。その涙は絶望、復讐心を意味しているように見えた。
少年の後ろに長剣を握っている男がいた。男はゆっくりと剣を構えて少年の首を狙う。
──────────ブンッ
その時───
少年の目の色が黒から紫に染まる。そして、謎の陰が男を襲った。
「何っ────」
その後を知る者は誰も居ない。その男以外は⋯。
「はあっ⋯はあっ⋯⋯⋯」
少年は血を流していた。男に反撃をくらい横腹を切られたのだ。死んだ目はまだ紫に染まっている。
当然意識がはっきりしている訳もなく、フラフラと歩き続け、少年は何とか開いた道に着いた。
ここなら倒れても誰かが見つけてくれるだろう。
ここは……どこだろう。僕、どうしたんだっけ。
「──────────」
声がする⋯⋯。人が来たのかな⋯?
助けを呼ぼうとしたが声が出ない。でもそろそろ限界だ。身体中が痛い。
あれ、でもなんで痛いの?
とにかく少年は最後の力を振り絞り、必死に手を伸ばす。
「⋯あ⋯⋯た、たす⋯け⋯て⋯」
そこで少年の意識は途絶えた。
──────少し時間は遡る──────
「あーあ。ねえアリサ、もうちょっと楽しめるやつないの?」
ここは冒険者ギルド。数多の実力者が集い、人々のために動く、いわば警察のようなものだ。
「うるさいわよライ。ゴブリンの討伐だからって気を抜いてやられてしまったらどうするの?」
「そーだけど、こんな雨の中じゃ余計つまんなーい」
「あなたね⋯」
この2人はランクBのベテラン冒険者だ。この街でランクBは少ないためよく危険な依頼を頼まれる。
「はあ⋯。もう決まったことだし、さっさと終わらしてしまいましょう」
「りょうかーい」
「ほっ」
「ふっ」
ズバズバと作業のようにゴブリンを討伐していく。あっという間に数十体をこえた。
「こんなものだね」
「そろそろ帰りましょうか」
一本道に背を向け、帰ろうとした時⋯⋯
「⋯⋯⋯⋯たす⋯け⋯」
「「?!」」
今、確かに声がした。それも子供だ。
「⋯アリサ」
「ええ。行ってみましょう」
「!!ライ、これは」
「男の⋯子?」
そこには血まみれになった少年が倒れていた。服が赤く染っていたため分かりにくかったが、しゃがんで見るとすぐに分かった。お腹を切られている。このままでは危険だ。
「とにかく連れて帰ろう」
「そうね」
⋯軽い。足も細く、すぐに折れてしまいそうなくらいだ。きっと過酷な生活を送ってきたのだろう。
「すごい汗ね」
雨の日でも分かるほどおびただしい汗が流れている。
「⋯この子、泣いてるわよ⋯?」
「ほんとだ⋯」
「う⋯⋯かあ、さ⋯⋯⋯」
母さん?何かあったのかしら。
2人はとにかく急いで街へ連れていった。
初のダークファンタジー(?)です!自分の入れたいエピソードを詰め込んでいくので変な部分があるかもしれませんが、楽しんで読んでくださると嬉しいです✨
後々登場人物の想像図?イラストを出そうかなーと考えています!
下手くそなので出そうかまだ迷っていますが、どんな感じかみたい!と思っていたらいいねおねしゃす!
コメント
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新投稿ありがとうございますー! もう初めからクオリティーがヤバい!めっちゃ精密にダーク感を出しながら入ってくるのがめっちゃいい!(語彙力が死んでる) イラストも楽しみにしてますね(ΦωΦ)フフフ… 次回も頑張ってください!