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「────────」

「まだ目が覚めないわね」

「仕方ないよ、結構な傷だったし。もうちょい待っていようよ」

「そうね。」

ここは2人が泊まっている宿屋だ。部屋には特に何も無く、ベットが2つだけ。

「寝ようにも私たち二人でひとつのベットを使うのは難しいわね」

「そうだね、アリサ寝相悪いしね〜」

「⋯⋯じゃあ私は隣を使うわ」

「え?!私は?」

「この子と寝て。うなされているみたいだし」

よく見るとまだ少し涙を流している。相当酷い目にあったのだろう。

「⋯はいはい」

起こさないようそっと隣に入った。

⋯綺麗な黒髪。サラサラしてる。ちょっと触ってみてもいいかな?

長い前髪を顔が良く見えるように分けてみた。

うわあ⋯やっぱりサラサラだ⋯⋯。あ!

バッと振り返る。アリサはもう寝ているようだ。ああ見えて寝相が悪いので、朝になるとまたベットから落ちていたりするのだろう。一緒に寝るなんてことをしたらこの子がぺしゃんこだ。

あっぶな⋯万が一こんなの見られてたらヤバい。やめとこ⋯。

布団に潜ると自然とお互いの手が当たる。その瞬間ライはびっくりしてしまった。眠っている少年が自分の手を握ったのだ。

「ひゃっ⋯ちょ、ちょっと⋯」

放そうとしたが少し強く握られている。困っていると、少年の寝言が聞こえた。

「怖い⋯怖いよ⋯⋯」

⋯仕方がないなあ。

「安心して。私たちがいるから」

こうしてライは色んな意味でドキドキしながら一晩を過ごした。



────────ここは……。

周りを見渡しても永遠と続く白い世界が広がっていた。

あるとすれば、目の前にある宙に浮いた黒い点のようなものか。

何あれ。⋯でも僕を呼んでいる気がする。

ゆっくりと近づき、ソレに触れようと手を伸ばす。すると黒い点を中心に白い世界が一瞬で黒く染った。

「うわっ!」

思わず声を上げてしまったが理由はこれだけではなかった。

目の前に人間(?)が立っていたのだ。いや、浮いていると言った方がいいか。

「え⋯誰⋯⋯?」

全身黒で身を包んだ男が自分を見ていた。

『⋯⋯⋯早く目ぇ覚ませガキ。これから強くなって貰わねぇと、俺が困るんだよ』

「それはどういう⋯」

少しの間沈黙が流れる。

───ピシッ

『⋯ちっ。これくらいの時間しかとれねーのか。とにかく起きて目の前にいる女に強くしてもらえ。話の続きはそれからだ』

「女って⋯?」

なんの事かさっぱり分からない僕はこんな状況にもかかわらずポカンとしてしまっていた。

──────ピシピシッ

急に真っ黒な世界が壊れ始めた。この男の人が言うには僕が子供なのが原因みたい。

「どうして強くならないといけないの?」

『⋯思い出せ。お前は大事な人を失ったんだよ。』

僕の⋯だいじなひと?

『⋯⋯(今言ったのはまずかったか。まあいい。記憶は今後のために必要だからな)』

男はは黙って僕に近づき、手をかざした。

「⋯⋯⋯あ⋯⋯」

なんだろう。ここよりずっと暗くて、血の匂いがする⋯。これは、記憶?僕の⋯

青年が手をかざしたのは直接的に失われた記憶の映像を頭の中に流すためだった。

ああ。そうだ。僕の目の前で⬛︎⬛︎⬛︎と⬛︎⬛︎は───⋯




「ん⋯⋯」

目が覚めると見慣れない天井が映っていた。

ここはどこだろう?僕、助かったのかな。

少し経つと視界がはっきりしてきた。感覚も戻ってきたところで、自分が何かを右手で掴んでいることに気がつく。

「い、いてて⋯」

体が上手く動かない。傷は塞がっているようだが、全身酷い筋肉痛のような痛みが走る。

ゆっくりと首を動かし状況を把握しようとする。すると⋯

「う〜ん⋯」

背後から声が聞こえた。その奥のベッドにもう1人いるようだ。

「あれ、、目が覚めた?大丈夫?」

「え、えと⋯」

「ちょっと待ってね。アリサ起こしてくるから。」

アリサ⋯あそこで寝ている人のことだうか。

すっと僕の手から離れていく。待って⋯そう手を伸ばそうとしたが止めるわけにもいかず。

あれ?なんで今僕そばにいて欲しかったんだ⋯?

「アリサ!!ねえ起きて!早く!!!」

「んん〜⋯なんですライ⋯」

「少年起きたよ!」

「⋯⋯本当?!」



「さて、早速で悪いのだけれど名前を教えてくれる?」

「僕は⋯ラウロ」

「いい名前だね。私はライ。こっちはアリサだよ。何があったの?」

何がって⋯

その瞬間、ラウロは真っ黒な夢の中で思い出した記憶が頭をよぎった。

「ああ⋯うわあああ⋯⋯!!」

「ラウロ⋯?」

あの残酷な悲劇を。

もう戻ってこない。戻らない。

ナニカを失う事を、ナニカが分からないのに復讐の心に染められそうになることを、まだ幼い少年は長く耐えることが出来なかった。

「どうしたの?!落ち着いて!」

嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ────────

「嘘だ⋯⋯!!」

体が痛むのも感じないほど冷静さは失われていく。

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