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ギル菊好きなのにギルの口調が掴めない
消失匂わせ
短いです
「……ギルベルトくん」
「ん」
「結婚しましょう」
「……急になんだよ」
ギルベルトくんがテレビに向けていた視線を私に向ける。
そういう私は元からギルベルトくんを見ていたが。
彼の顔は訝しそうに歪められていて、顔を見ればなぜ?と思っていることがすごくわかる。
「いえ、まぁ…はい」
「なんだよその煮え切らない返事」
「…とっ、とにかく!結婚してくれるですか!してくれないんですか!」
「いやまぁ…するかしないかで言ったらするけどよ」
理由だけでも聞いちゃダメか?と言葉を続ける。
そんなことを言ってる彼はとても真剣で、わたしの先ほどのおふざけみたいなことを聞いてもちゃんと考えてくれている。
おふざけといっても結婚したいのは事実だ。
ただ、その理由が少し言いづらい。
ギルベルトくんにそう聞かれてごにょごにょとしていると、急に私の近くに寄ってそっと私とおでこをこつん、とくっつけた。
「へっ、ぎる、べるとくん…?」
急な顔面のドアップに思わず顔が熱くなる。
この方顔よくないですか?爺の心臓に悪いのですけれど。
「きーく」
低い声が私の耳を震わせる。
「……っだって、こうでもしないと貴方……消えちゃうでしょう、?」
ギルベルトくんはそんな私の言葉に目を丸くする。
ああ、こんなはずじゃなかったのに。
ギルベルトくんの目線がささるのもきにせず、目線を逸らす。
「…あ、なたはいつ消えるかわからない存在なのですよ…?だったら、」
そこまで言いかけていた私の言葉を遮るように唇に柔らかな感触がする。
そう、キスをされたのだ。
知らず知らずのうちに冷えていた自分の体にギルベルトくんの温かい体温が移ってくる。
その体温が今はとても恋しくて、もっとというようにギルベルトくんの頬へと手を添えた。
この幸福に埋もれていたい。
我儘なことなのはわかっている。けれども、私は貴方に消えてほしくないのですよ。
「…消えねぇよ。俺がいないと生きていけないような爺1人にして消えれるかよ。」
「っで、もぉ…!」
頬に冷たいものが伝う。折角ギルベルトくんの体温が移って温かくなったのに、涙のせいで奪われていく。
このさい女々しいと思われてもいい。
それぐらい貴方が好きなのだから。
「すきっ、すきです、ギルベルトくん…!」
「俺も。Ich liebe dich。」
互いの存在を確かめるようにまたキスをする。
少し経った後、ようやくキスをするのをやめる。互いに見つめ合った顔はとても赤く、それでもなんだか愛おしかった。
「それにしても…そんなに俺様の愛の言葉が伝わんなかったか?」
「い、いえ…伝わってはいましたよ?私が1人で勝手に想像して悲しんでただけなので…」
「ケセセセッ!ほんっとうに可愛いな。お前」
「か、可愛くありません!!」
「まぁ、…お前が悲しくなる暇なんて作らせないように、今よりももっと愛してやるよ」
「へっ…!?」
顔がさっきよりも真っ赤になった気がする。いつもはダラダラとしているだけなのにこういう時だけ…もう。
爺の心臓に悪いです…
「覚悟しとけよ、菊?」
「……ギルベルトくんのばか」