朝、待ち合わせた場所につくとサクはすでに低い塀に座って待っていた
近づいて声をかけようと歩く速度を速めた時、サクの様子が少しおかしいことに気がついた
···寝てる?
近くまでいってはっきり分かった
サクは塀に座りながらうとうとしていた
こんなところでうとうとしていては危ないなと思い、起こそうとしたところで思わず動きを止める
昨日は、俺より年下に見えるのにやたらと大人びた表情をしていたのに今の寝顔はまるで印象がちがくて、幼げで···可愛い。
って···俺、何考えてるんだ
「サク。」
俺はふと沸き上がってきた思いを振り払ってサクに声をかける
「んぁ···?」
薄く目を開けたサクは寝ぼけたように俺に寄りかかってくる
「おわっサク!?」
「んんぅ」
軽くサクの肩をたたくとやっと起きたようでその赤い瞳と目があった
「···あれ?ジス···?」
目が覚めたサクは驚いて距離を取る···訳でもなく数回まばたきをしてからぐっと体を伸ばして塀から降りた
「ごめんね。寝ちゃってた」
「なんで···?」
「いつのまにか?」
自分も分かっていなさそうな感じて曖昧に答えたサクはそのまま歩きだす
つくづく不思議な少年だ
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