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⚠注意

今回の作品には以下の表現が含まれます。

・残酷な表現・描写

・流血表現

・嘔吐物描写(吐いているシーンはありません)

・モブ出演


以上のことが大丈夫な方のみお進みください。

なお、それ以外の表現が含まれる可能性もあります。ご承知ください。


※伏せ字の都合上、一部端末では文字化けして表示される可能性があります。

対策として、次回よりアルファベット表記による伏せ字を使用いたします。ご迷惑をおかけしました。




研究員として働き始めて、何年かが経った。だいぶ仕事にも慣れて、かなり優秀な成績を残している。

そして、最後にቻᯇ𐩀くんたちを送り出してから、兄弟には会えていない。何度か交渉を試みたけれど、全部却下されてしまった。今ここにいるのか、何をしているのか。それすらもわからない。

ただ、欝先生がこの施設にいるというのはわかっている。何度か関係資料を見かけた。

シャꠀㅁンさんの足取りは全く掴めない。元気に生きていると信じている。

あの二人は今外の世界で何をやっているのだろう。

「脱出の機会を伺って、ある人と一緒に出ていく」なんて言ったけれど、あの時以上にセキュリティは向上し、私の体にはGPSが埋め込まれている。到底できっこない。それに、外へ出ようとして危険を顧みるよりここであの人─ゾㄙさんとともに生きていけるほうが、ずっといい。そう気づいてしまった。

今日もまた、資料をまとめて、私も、着実にサイクルに巻き込まれていく。

「おい、エミさん!」

「え?どうしたんですか、そんなに慌てて」

今日は、ゾㄙさんが朝早くからいなかった。なにか用事でもあったのだろうか?誰かから呼び出されたのだろうか?

私たち研究員は基本二人部屋。私は、ゾㄙさんと一緒の部屋で、朝六時くらいに出ていくのを薄い意識で感じていた。

そんな中、私は同僚に話しかけられた。少し焦ったような顔をしている。何かトラブルでも…

「お前の教育係、殺されたらしいぜ」

「えっ…?」

頭が真っ白になった。彼の声は、明らかに嘘のトーンではなかった。本当のことだ。

「何言ってっ、」

「〝知りすぎた奴〟は殺されるのだと…新しい奴らが来たから…」

〝知りすぎた奴〟とはたぶんこの研究所の最深部のことだと思う。

この研究所はゴールデンブラッドだけを研究しているわけではない。どうにかして、普通の人間をゴールデンブラッドにしようとしているのだ。だから、A棟の監獄の、もっと下には、実験用に集められた子どもたちがいる…らしい。あくまでも噂とか、憶測にすぎない。本当のことは、ባ゙ㄦッへ゜ンさんやᡰンᡰンさんの上層部の人間、あとは私達のような純の教育係をしていた人たちのみぞ知る…。

「新しい奴ら?」

「優秀な研究員をどっかからか引き抜いてきたらしい…いらないやつは外に放り投げておくこともできないからな」

ここははたからみれば信じられないくらい非道的なことも平気でやっている。だから、解雇されたら外に出してもらえるわけがない。内側で殺される…。みなそうならないように死に物狂いで働くのだ。

「私達は……?」

「最深部のことを知らないから、生かしてもらえる。でも、少しでも怪しい動きをしたら」

彼は、自分の親指で首を切る真似をした。

ゾッと背筋が凍る。

「ゾㄙ、さ…」

今、どこにいる?

「ባ゙ㄦッᨚ゚ン様が呼んでたぞ。早く行かないと、お前も…」

「すぐ行きます! どこですか!?」

「お、おう…A棟の牢獄だって」

牢獄…やっぱり…。

彼の次の言葉を聞く前に駆け出す。

A棟に行くまでに何人かにぶつかってしまったが、私はそれどころではない。大事な人が、殺されているのかもしれないのだから。

「ᰌᯇミᯇㄦです。ባ゙ㄦッᨚ゚ン・フューラー様からの呼び出しで参りました」

牢獄ゆきのエレベーターに乗るには、受付で申請する必要がある。だが、その受付には上層部の人間ばかりが行き来しており、あの噂の最深部に関する情報も飛び交っているため、受付に近寄ることすら心が阻む。でも、それごときで呼び出しを取り消してもらうわけにはいかない。

「ああ、ᰌᯇミᯇㄦね…。ባ゙ㄦッᨚ゚ンからの呼び出し……それも直々の?」

受付の女性は煙草の煙を吐き出しながら聞いた。香水の妖しい香りがやんわりと漂う。

「ええ」

「ふぅん…〈奈落〉に運ばれないよう、精々気をつけることね」

「奈落?」

聞き覚えのない単語。名前からして、あまりいいところではなさそうだが。

「最深部のことよ」

彼女がジュッ、と煙草を灰皿に押し付けると、チンッとエレベーターの到着音が鳴った。

時計針式のフロアインジケーターが𝟙を指している。次は、𝟘、そして最後は-𝟙(マイナス・ワン)…。

−1…。

0は地下牢獄で間違いないだろう。が、マイナスなんて聞いたことがない。もしかすると、彼女のいう最深部・奈落?

「あなたは、一体…?」

明らかに、通常の受付ではなさそうだ。〈奈落〉の一員か…?

エレベーターの中から、体格のいいボディガードが数名降りてくる。そのまま、腕をがっしり掴まれて、エレベーターに運ばれそうになった。

「えっ、ちょっと!」

身じろぐも、全く意味はない。むしろ締め付けが強くなった。バッと女性を見ると、その目は虚空を見つめている。その周りに漂う雰囲気に、どうしても助けを求められなかった。

「特別に、教えてあげる」

運び終わると、エレベーターのドアが閉まり始める。女性の声が聞こえた。

「私の名前は───。〈奈落〉のメンバーよ」

がっちゃん、と重苦しいドアが閉じた。

(〈奈落〉…)

そのメンバー、ということはここの幹部的存在なのか…?

ガッコンッ!

大きく振動して、エレベーターが止まる。どうやら目的階についたらしい。だいぶ古い設備だ。建物自体はかなり新しいのに…。

「降りろ」と暗に促され、仕方なく下りると、とてつもない悪臭が鼻を刺す。思わず鼻を押さえるが、それでもかなり臭う。

ちん、とまた音がなり、慌てて後ろを見る。も、エレベーターの扉は無情にも重苦しい音を立てて閉まってしまった。

さて、困った。とてもまずい。何も手がかりすらないというのに。牢獄のどこに行けばいいのか、そもそも牢獄に行ったことなんてないから、どこに何があるのかすら知らない。

その瞬間、後ろからうめき声が聞こえた。向き直ると、真っ暗闇から、苦しげな声…。

「ゾㄙさん…?」

恐る恐る話しかける。もしかすると…。

淡い期待はすぐ消えた。ガッシャンッと牢の格子を揺さぶる音、音の主は明らかに正気を保っているとは思えない人間。まるでゾンビのようにうめき声をあげながら、私になにか訴えている。

消えかかった豆電球で牢の様子がかろうじて視認できる。ろくに世話されていないのがわかった。そこらかしこにある排泄物、嘔吐物。悪臭の原因は間違いなくこれ。

布団なんてものはなく、薄い布切れが投げてあるのみだった。加えて、粉になりかけた血。彼(彼女かもしれない)にも膿んだ傷口があった。拷問されていたのか。

「うっ…」

もう気分が悪い。ジリジリと後ろに下がると、向かいの牢にぶつかった。からん…となにかが転がる音に、機械のような歪な動きでそれを見る。今度こそ、悲鳴をあげてしまった。

白骨化した遺体。それも、何体も。まだ肉片が残ってるものすらある。しかも、牢のようであって牢じゃない。格子があるのみの、まさに〝穴〟。ゴミ捨て場のような場所であるらしく、数メートル下まで掘られており、そこには例のごとく積み上げられた死体がある。

何なんだ、ここは…。想像以上の量に、どうしてもあの噂が蘇る。

「最深部って、孤児とかを集めて実験してるんだと」

「しかも、失敗した実験体は捨てられるんだって…」

気分が悪くなるのを承知で覗き込むと、確かに、大人より一回り小さい骨格も見受けられる。失敗した個体の数にしては少なすぎないか……?

それより、はやくባ゙ㄦッᨚ゚ンさんに合流しなければ。

「やあ、ᰌᯇミᯇㄦ」

低い声に、体がすくみ上がる。

「ここは君も知っているだろうが、〈地下牢獄〉だ」

声は聞こえるのに、姿が見えない。反響しているせいで、声の方向すら探れない。

「裏切り者や、都合の悪い人間を〝処分する〟場所…。なぁ、なぜそいつは生かしてあるか知っているか?」

そいつ…たぶん、先程の人間。なぜか…痛いほど、答えを知ってしまっている。

「残っている研究員の脅しに使うのに都合がいいから……そうですよね?」

「素晴らしい!そのとおりだ」

嬉しそうな狂った声。それに慣れてしまっている自分に嫌悪感が止まらない。

私たちがまさにそうだったから、わかってしまうんだ。

ガシャン、ガシャンとまた格子の音。可哀想に……いっそ、殺されるほうが楽だったろう。

「では、なぜ私がお前を呼んだか分かるか?」

「……ゾㄙさんが関係ありますか」

彼は答えない。代わりに、クックッと抑えるような笑い声が聞こえた。

「彼を、どこに…!!」

「ここだよ」

直後、私の視界に入り込んだのは。

首と胴体が泣き別れになった姿だった。






うわー!シリアスー!!こっわ!!

というわけで、ちょっと久しぶりですね…?

すみません、いいねの数が足りないのをいいことにサボってたらいつの間にか200いいね行ってて焦って書きました。

大変申し訳ありませんでした(二度目の土下座)

あの…なんとエミさん視点中途半端なところで終わってゾムさん視点に移ります。

気になるかも知れませんが、次の四流回で全部書くつもりなのでね。

今回でてきた〈奈落〉。元ネタはPoppy PlayTimeです。

めっちゃネタバレなんですけど、工場の下で、ひっそり子どもで人体実験が行われてたんですね。最近ドハマリしまして、結果このシリアス&残酷の集大成が出来上がりました。

自分で書いてて苦しかったです。名もなきモブたちが…(号泣)


今回のタイトルなんですが、「自業自得」。

エミさんって、チーノとした約束をばっちり破ってるんですね。「まあ、このままでいっか」みたいな。

簡単に幸せになれるわけねえだろと。そういう意図です(ゲス顔)


アンケのご協力をお願いいたします!

〈奈落〉のメンバーであると明らかになった謎の女性ですが、名前全く考えてません。

なんとなく妖艶なお名前を考えてくれる方、コメントお願いします!


追記:なんと4000字書きました。びっくり。


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ゴールデンブラッド〈輪廻転生〉

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