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#幽霊
凛道桜嵐 新
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#日常
がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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『なあ、あかりさんからサブスクの仕事頼めないかってLINEきた』
仕事が一段落した時、千歳にそう言われた。自分のスマホを確かめると、俺にも金谷さんから同じ内容のLINEが来ていた。
「あ、本当だ、俺にも来てる」
千歳は、毎月お金をもらう代わりに、頼まれたら除霊を手伝ってくれと金谷神社に言われている。はたして金谷さんの用件は、こういうことだった。
「以前、子どもの病院で処理してもらった幼児の霊の件でまたお願いしたいことがあるのですが、お二人にまたお出まし頂けませんか?」
ああ、だいぶ前だな。子供の重い病気専門の病院で、小さい子の霊が寄り集まってできちゃった、すごくでかい妖怪百目幼児。千歳の働きのおかげで、普通の大きさと見た目の幼児の霊になれたけど。
「あの子の件か、なんだろうね?」
『なんだろうな? あの子、運が良けりゃ、もうあの世行ってるぐらいだと思うんだけどなあ』
とりあえず、いいですよという旨の返信を2人ですると、詳細が送られてきた。
「あの子の霊、ものすごく恐竜を見たがってまして、公園で遊んでくれたおじさんにつれてってもらわなきゃいや! って泣き叫んでるんですよ」
泣き叫んでるの!?
とりあえず、二人で別々に金谷さんに返信もめんどくさいので、三人でビデオ通話できないか聞いてみたら金谷さんは応じてくれた。
千歳がスマホ画面の金谷さんに聞いた。
『公園で遊んでくれたおじさんって、ワシか?』
「そうですね、あの子、病院に来る人に遊んでもらってたんですけど、初めて遊んでくれた人は特別みたいで」
俺は金谷さんに聞いた。
「なんで急に恐竜なんです?」
「遊んでくれた人に、恐竜図鑑くれた人がいるみたいで。まあ生前、恐竜好きな子もいたと思うんですけど」
「なるほど……」
「その辺の心残り解消してあげれば、もう分解してあの世に行くくらいな感じなんですよ、あの子。なので、どこか恐竜が見られる博物館か何かに、千歳さんと和泉さんであの子を連れて行ってくれませんか?」
『うーん、でも、どこにそんな博物館あるんだろ?』
千歳は首を傾げた。
「俺調べるよ。近くにあればいいな」
ざっとググってみると、小田原市に県立の博物館があり、恐竜の展示がなかなか充実しているとわかった。
「小田原の博物館がよさそうで、そこなら大船まで出て乗り換えて、あとはバス。まあ、ちっちゃい子連れでもなんとか行けると思う」
『じゃあそこにしよう』
金谷さんも頷いた。
「ではそこで、よろしくお願いいたします。交通費と入場料につきましては、教えていただければ先払いできますので」
「ありがとうございます」
そういう訳で、俺が休みに出来る日に、その子を博物館まで連れて行くことになった。当日は、金谷さんの車でみんなで病院にその子を迎えに行って大船で降ろし、そこからは電車に乗せるのがいいだろうとのこと。電車にも乗りたがってる子らしいので。
博物館、割と好きだけど、子連れで行く日が来るなんて思わなかったな……。
コメント
1件
ああ、このエピソード、ほっこりしましたね。「百目幼児」がただの恐竜好きな子ども霊になってて、千歳さんと和泉さんが博物館に連れて行く約束をするところ、優しい世界だなあと。サブスク契約の電話口で「泣き叫んでるの!?」って受ける温度感も好きです。霊の子どもの「心残り」を解消すればあの世に行けるって設定が、この作品の倫理観を感じさせてじんわり来ました。