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野球部員の男子生徒は、莉犬が生徒会のメンバーだと知って、あからさまに及び腰になっている。
一方の緑化委員の女子は?味方を得たとばかりの表情で、ぐっと莉犬に詰め寄った。
「ちょうど良かったわ、莉犬くん。さぁ、見てちょうだい!」
バッと手で指し示したのは、綺麗な花々が植えられた花壇だ。
よく見ると、まるで何かが落ちてきたかのように、地面がえぐれて花が折れてしまっている場所がある。
ちょうど野球のボールほどの大きさだ。
「せっかく植えた花が、これまでに何度も野球部に荒らされて!」
「だから! 最近は気を付けてるって、言ってるだろ!」
「あんたいつも口ばっかじゃない! 小学校の遠足の時だって·····」
「バカ! それは今、関係ないだろ·····!?」
言い合う二人をよそに、莉犬は冷静に、周囲の様子を観察した。
すると、少し離れた場所に、陶器の破片が落ちていることに気づく。その形に見覚えがあり、莉犬はすぐにピンときた。
「·····犯人がわかりました」
みんなが目を丸くする。
野球部員の男子生徒と、緑化委員の女子生徒も、「えっ!」と声をそろえて驚いた。
「犯人は·····体育館です。あそこを見てください」
莉犬が陶器の破片を指さすと、みんなの注目がそこへと向いた。
「どうやら体育館の一部が落下したみたいです。」
この学校の屋根には、翼を広げた鳥の像が二体、設置されている。
そして、そのうちの一体の翼が、欠けてしまっていた。
おそらく老朽化して自然に割れ、その破片がたまたま花壇の上に落ちてしまったのだろう。