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初めての小学校の夏休み。
今日の宿題のノルマを終えた亜優と、おやつの準備をする。
「亜優、すっごい上手やん」
「……」
すっかりおままごとを卒業し、キッチンで料理をしたい願望のある亜優に出来ることを考えるのが大変だけれど、今だけのことだろうと、連日頭を使う。
今日はヨーグルトを食べようと考えて、今、亜優はテーブルナイフでバナナのカット中だ。
それも、私の声が聞こえないくらい真剣に切っている。
そして…
「ママ、これあまったわ」
と……余ったわけではない端っこをパクリと食べて終了。
「亜優、ありがとう!ここに半分ずつ入れてくれる?」
「ええよぉ」
冷凍のブルーベリーが少し解凍されるように、先にヨーグルトとブルーベリーは私がふたつの器に入れておいた。
亜優はその上にバナナを……埋め込むように……
「食べ物をそんなに押さんといて、亜優。お行儀悪い」
「…ゆびについたぁ……きゃーぁ…」
と、喜んでいる亜優の手を拭いてから、一緒におやつタイムにする。
その夜
「ハルくんはさ…」
私は亜優やまわりを見ながら、最近考えていることを夫に聞いてみた。
「亜優の妹か弟…二人目って、どう思ってる?私はいたら楽しいかな…って思ったりするんやけど…」
亜優が絶対に喜ぶ。
私も姉妹、姉弟っていう賑やかな子育てをして、明るく笑いの絶えない家庭を持ちたい。
大変なことも多いと思うけど、明るい日常っていうのが一番。
夫の亜優に対する態度からは大きな不安もある。
それでも、子どもが二人になったらパパとしての自覚を持ってくれるかもしれない。
彼の中で、目覚めるものがあるかもしれない…と、少し期待してみたのだ。
だけど…そんな期待は一瞬で蹴散らかされた。
「これ以上直美を取られたくないから、もうずっと子どもはいるわけがないやん。直美は俺の直美…」
話し合いにもならない空気が漂う間もなく
「…っ……」
唇が重なり、パジャマの上から夫の手が私のカラダを這いまわる。
そして、当然のようにボタンが外されると……せめて寝室へ行くよう懇願することしか、私にはできなかった。