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悪夢と花

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第1話 落ちてきた花

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2024年03月27日

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どさっ

何か落下音がした。

気になるがどうも今は寒いのでアジトに帰ろうとした…が。心と体が反対に動く。

何故だろう?俺はそんなにニンゲンに興味をもたらしているのだろうか。

近づけば近づくだけ甘い香りとネガティブが漂う。

ある一定の場所に足を踏み入れた瞬間香りとネガティブがぐんと強くなる…

正直に言ってとても気持ちが悪い。ネガティブが多ければ多いほど良かれと思っていたが

実際はそうではないらしい。ありすぎて今は逆に嫌だ。


砂利と草をザクザクと言わし踏みしめる。綺麗な金色の花を踏んだ時、急な目眩がした…

脳裏に焼き付くような甘い香り。視界がぐらぐらして今にも倒れそうだ

気持ち悪い、気持ち悪いとおもいつつ足を動かし落ちてきたニンゲンを目にした。

何故だろう、さっきまで気持ち悪い程の甘い香りが漂っていたのにぱっと途絶えた。

自分の嗅覚が可笑しくなったのかとおもい、なんとなく前を直視してみた。

真っ先に目に入ったのは髪が長くぼさぼさで服もびりびりに破れている小さな少女だった。

腕も足も痣だらけ。おそらくいじめか虐待で自殺したかったのかと考える。

アジトでせめてでも応急処置をしてやろう。慎重に手で抱える…足を触った瞬間体に

電気が流れたかのようにビクッと動いた。手を触れたであろう場所を確認してみる。

あぁそうかと察した。なぜなら俺はこの少女の一番深い傷に

触れてしまっていたのだ。まるでオリジナルがGルートでキャラにつけられた

鎌で切ったようなナイフで切ったような傷跡に。


先ほど通った道を歩く。ニンゲンが落ちてくる穴を底から見上げてみる。

星がキラキラ輝いていてもう暗い。部下たちは今頃心配しているだろうか…?

髪が長すぎて顔が見えない。手でスッとどかしてみた。衝撃だった。

こんなにぼろぼろなのに、髪はサラサラでとても綺麗な顔だったのだから。

とても不思議に思ったのが、なぜ容姿はぼろぼろなのに顔は一切汚れていないのだろう?

何か顔が可笑しいのだろうか。もうこうなってくるといろんな疑問が湧き出ててくる。

決意は持っているのか、そもそも喋れるのか、何か病気は持っているのかなど。

中でも一番気になったのはソウルの色。今試せるのでやってみた。

正直に言ってとてもびっくりした。光っていないし光を通さない。なにより黒い。

あたりのネガティブが強かったのはこういうことか。今全ての辻褄があってスッキリした。

心のモヤモヤが少し晴れたような気がする。


そんなことを考えているうちにアジトについた。着いてしまった。

色々聞き出されると思うととてもめんどくさい。

でもクロスの部屋の窓から時計を覗いてみるともう12時だ。クロスもベッドで寝ている。

アジトに入ると俺のご飯が置いてあった。

クロスからのメッセージが付箋に書いて貼ってある。

『 お疲れでしょうから、ご飯食べて早めに寝てください 』…と。

食べようと思ったがまずこの少女をどこに寝かせればいいだろうか…?

一旦バレたらめんどくさいので俺の部屋で寝かせることにした。

ついでにもうご飯も部屋に持って行って部屋で食べよう。


少女が来て1時間が経った頃、部屋中が甘い匂いで充満する。

あそこにいたのと同じ感じだ。また気分が悪くなるので即座に窓を開ける。

夜のにおいと甘い香りが入り混じってチョコレートのような苦く、甘い香りがした。

しばらく経ってまた仕事に取り掛かる。そういえば昨日クロスに怒られたばかりだ。

先輩が仕事をしないせいで俺らの仕事が増えるんですよ、とこんなふうに。

なぜだろうか、さっきから俺のベッドに花が散らばっている。なぜだ?なぜなんだろう?

考えに考えた…その時はっと頭に稲妻が走った。わかる。わかっている。

俺はこの香りを知っている。今、全てを思い出した。

あの花の名前は[金星花]…きんせいかだ。一度息をした分の香りを匂うと

致死量に達する。そうか、俺は毒耐性があるが故に死ななかったのか…。

でもこの少女を連れて帰ってしまったにはもう捨てづらい。

少女がどう思うかもわからない。と、思っていたがそうだ。俺は心が読めるじゃないか。

俺はバカじゃないのか?そう考えているうちにもう朝の3時だった。

沈黙が続く。カチカチと時計の秒針が鳴る。

さて、これからどうしようか?

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コメント

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物語の展開が気になるやつぅ☆ えっおもろすぎて鼻血出たお☆

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