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p(ね、ねぇッらっだぁ⋯
(冗談だよね⋯?
信じてた。
信じてたんだよ、俺は。
お前だけは、そういう奴じゃないって。
⋯だけど
r(⋯冗談に見える?
“カチャン”
冷たい鍵の音が、
俺の自由と、彼への信頼を閉ざしてしまった。
静かに、だけど確実に、
俺の世界は変わり始めた。
【 1日目 】
真っ黒な壁
窓の無い部屋
そして、首についている重たい鎖。
p(ッッ⋯お前、正気、?!
(冗談だって言ってよ⋯ッ!
俺がそう叫んでも、彼は微笑んだまま俺の事を見ていた。
r(⋯他の奴と仲良くしてた
ぺいんとが悪いんだよ。
__ は ?
何言ってんだ此奴
そう思った。
そして、彼の目を見て寒気がした。
⋯⋯この目、見覚えがある。
配信の時、敵を追い詰める時の
__本気の目。
この日は、抵抗するだけ無駄だと思い、後は
何もしなかった。
【 3日目 】
水分や食事はしっかりと出された。
痛いこともされていない。
けど、それが逆に怖い。
p(⋯優しくしないでよ。
(余計に訳分かんなくなる⋯。
r(優しくしてるんじゃない。
(⋯お前の事、大事にしてるだけ。
彼の真っ直ぐな瞳は、嘘を吐いてるようには
見えなかった。
でも、まだ信じちゃいけない。
俺は、まだ怒ってる。
“逃げなきゃ”
そう思っていた筈なのに__。
【 7日目 】
p(⋯⋯なんで、俺を閉じ込めてまで⋯
そう彼に問いかけた声は、震えていた。
刹那、彼が抱き締めてきた。
心地よい。拒めない位に温かかった。
r(やっと近くに居られる
(なのに⋯
(なんで離れようとするの?
その言葉を聞いて、俺の中で何かが崩れ落ちた。
俺が離れたからこうなったの?
違う。此奴が可笑しい。
でも⋯⋯違うのか、?
もう、どっちが正しいのかなんて
分からなくなっていた
【 10日目 】
p(⋯ねぇ、
(今日も一緒に居てくれる⋯?
気づけば、俺の方から求める様になっていた。
彼が傍に居ないと落ち着かない。
r(勿論。
(ぺいんとが望むなら。
その言葉に安心を覚えた自分が怖かった。
けど、もっと怖かったのは
この世界から出たくないと思い始めている、
自分だった
【 ¿日目 】
p(もう、外になんか出なくてもいいや。
r(⋯それ、どういう意味?
p(此処が1番、安心するから。
彼の腕の中は、狂おしいほどに心地よかった。
外の世界は怖い
もう、自由なんて、俺には要らない。
君さえ居ればいい。
そう思える様になった時、俺は自分の鎖を、
外そうとは考えられなくなっていた。
“ ストックホルム症候群 “
誘拐事件や監禁事件などの犯罪被害者についての臨床において、被害者が犯人との間に心理的な繋がりを築いてしまう事。
発症してしまうと、誘拐や監禁等の極限状態で被害者が加害者に対して好意や共感、または信頼の感情を抱く様になる。
加害者の行動を正当化したり、犯人を擁護したり、自分自身の安全が犯人に依存していると感じたりする行動が見られる事も有る。
〆
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