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不機嫌そうな溜息を返答代わりにして、レイブは長考に戻ったのである。
――――もしかして、あの日! 突然襲ってきた黒衣の人物…… あれが化け物の正体だったんじゃっ! そうだっ、あの時全てのアミュレットが音を響かせて破壊されたんだもんなっ、考えてみれば尋常じゃない魔力が溢れていたってことなんだよな! そうかそうか、化け物はあの時、スプラタ・マンユの魔方陣が壊された時からこの岩窟に住んでいた、そう言う事になるのか…… ん? でも…… あの後、キャス・パリーグ姉さん達が助けに来てくれた時には化け物はいなかったのか、な? 姉さんもカゲトも特別言っていなかったと思うけど? あ、あれか! 丁度出掛けている間とかに助け出されたとか? だったら超ラッキーじゃん! ついてたんだなぁ~
『レイブ?』
「ちっ!」
『…………』
――――あの時の記憶はイマイチはっきりしないけど…… 確か俺だけじゃなくペトラやギレスラだって軽くないダメージを受けていた筈だ、と言うか重症だった筈! 俺なんか左腕が肩から無くなっちゃっていた様な…… まあ、朦朧としていたから幻覚かもしれないけど…… いずれにしても無事ではなかった筈! それが無傷で保護された所を見るとぉ…… あれだな! この岩窟には化け物以外にもいるなコリャ! 願いを叶えてくれる守護天使的なヤツ…… ふむ、随分神秘的な場所だったんだなぁ、ここってぇ…… あれ? 確かバストロ師匠たちってこの場所、岩山の岩窟を別の名前で呼んでいたような…… はっ! そう言う事かっ! 名前の通りじゃないかあぁっ!
「光と影の岩窟、か……」
『ん? 光と影、何だレイブ?』
思わずと言った感じで呟きを洩らしたレイブの声に小さなアスタロトが反応良く応えた。
これにはレイブも面倒臭がらずに答えてくれる、優しい。
「いやここの名前なんですけどね、バストロ師匠とかが呼んでいたんですよ、『光と影の岩窟』ってね」
『何、光と影だと…… 光と、影……』
「ええ、それで名前にピッタリだなって思ったんですよね~、そうでしょ? 得体の知れない化け物の存在を影、不思議な回復の力が光、その辺りから付いた名前なのかなって! あ、でもそうなると、化け物は昔から居たって事になっちゃうのか~、うーん? どう思います、神様?」
『光と影……』
「神様聞いてます? 化け物が来たのと名前が付いたのがね、テレコじゃないですか? ね、ね?」
『ひかりとかげ…… 光影か…… なるほど、みっちゃんの化学、か…… そうかっ!』
重ねての問い掛けにもアスタロトは独り言を呟くのみである。
手応えの無い薄過ぎる反応にレイブの表情にイライラが浮かんだ瞬間、アスタロトは愉快そうに叫ぶ。
『くはははっ! そうかそうか光影な! ニンゲンと魔獣、竜には無害でそれ以外の魔力を吸収する炭素の同素体、切頂二十面体構造C60フラーレンとか言っていたがぁ…… そうか、丹波が持ち込んだニンゲンの核に端を発した荒唐無稽な計画だと思われていたが…… よもや成し遂げていたとはな…… くふふふ、ははははっ! みっちゃん、やったんだなっ! くぁーははははぁっ!』
蝶舞(かれん)@常にスランプ
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