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突然訳の判らない話に続けて馬鹿笑いを始めたアスタロト。
レイブはイラつきすら忘れて慌てて確認の言葉を投げる。
「炭素? フラー、えっと何ですそれって? それにみっちゃん、ですか? アスタさんの友達か何かです? 化け物? それか守護天使です?」
『あの頃は行き詰まっていたが、そうか…… 我等がいなくなった後も諦めずに、な…… ぐすっ、ふふふ、流石はみっちゃんだよ…… 善悪やコユキも草葉の陰で喜んでいる事だろう…… あっ、あいつらは消滅したから草葉の影にも地獄にも存在しなかったか、テヘペロ♪』
「おい…… 説明しろよ……」
『お? ああ、すまんすまん、実はな――――』
基本的に相手の話を聞かない辺りがそっくり瓜二つな依り代と中身の二者が、漸く噛み合って交わした内容はレイブを驚かせるには充分な壮大過ぎる話であった。
今を去ること数千年前、アスタロトも参加していたパーティー『聖女と愉快な仲間たち』のメンバーで化学担当プラス数少ない常識人であったのが、みっちゃん、幸福光影その人であった。
当時、世界中のあらゆる組織に先んじる形で、地球の魔力が臨界に達している事に気が付いた『聖女と愉快な仲間たち』の面々は、増え過ぎた魔力を消費する為の『除染作業』と、一般人の中に魔力を使用できる『スキル』を伝播させる『広報活動』を中心にして、精力的に活動を広げ続けていた。
周囲の仲間達が華々しい結果を残し続ける中、光影は科学者らしく仮説に基づいた研究を続けていたのだと言う。
仮説を証明又は否定し又新たな仮説に基づく検証作業を繰り返していく。
それは本人の粘り強さと反比例して、周囲には酷く地味な作業に映っていたのだ。
『聖女と愉快な仲間たち』は当時の真なる聖女コユキと聖魔騎士である善悪を中心に、アスタロト、バアル、サタナキアの三魔神、スプラタ・マンユ、アフラ・マズダ、アンラ・マンユ等の屈強な魔王種達に加え、ゴエティアで有名な『レメゲトン』や『地獄の辞典』で人々も良く知る所の著名な悪魔がそれこそ、キラ星の如く参加していた。
無論、戦闘力に於いても他の追随を許す事無く、別の組織や敵対する悪魔達を次々と従え、その勢力を伸ばし捲って行ったのである。
一方、悪魔とニンゲンの混成軍である『六道の守護者』、魔獣が多く参加していた『オニギリ友の会』も又、それぞれの支持者を増やして充実の限りを尽くして行った。
スキルを一般の人々に伝授して回っていた『抵抗者』は、その特性から失われつつあったライフラインに取って変わる様に、世界中から諸手を挙げて歓迎されていたのであるが、これが後に確立される『魔術師』の原型となっている事もアスタロトの憶測を交えて説明された。
三人のアキラが『抵抗者』の中心人物であったことも人々の支持を得やすかった理由だと思われた。
猛獣以上の脅威であるモンスターを容易く退治出来る薬品、初期の石化を治療できる粉薬、体力を失った人や魔獣に活力を与える精力剤、現世益に跳び付くのは悲しいかな人の性なのだろう、仕方あるまい。
蝶舞(かれん)@常にスランプ
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