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康二side
よっしゃ〜書類終わった…帰ろかな
あ、その前に大吾んとこ顔出しとかなな
…なんや?あの人だかり
大吾の部屋の前…?
““男の人が刺されたってホントか?!””
…は?
““刺したやつ、子供だって?””
子供…?
““この部屋の子なのかしら?””
この部屋って…….いや大吾なわけ…
…….そんなわけ
そんなわけないって自分に言い聞かせながら俺は久しぶりの全速力で大吾の部屋に向かった
息を切らしながら部屋の前に着いた
中を覗いて俺は目を疑った
倒れとる男性とナイフを握った血まみれの大吾がおったから
「みんな!みんな離れて!」
気がついたら俺は野次馬を現場から遠ざける
“ふり”
をして現場から離れとった
大吾がやったなんて思ってへん。
…思ってへんけど信じたくない。
そんな気持ちが横切ったんかななんて思う
丈一郎side
「だ…いご?」
扉を開けたら💩先生は倒れてて、大吾はナイフを握っとった。
…いや。大吾にそんなことができるわけない
する訳ない
大吾)ぁ…ぁ…
床にへたっと座り込んどる大吾はゆらゆら揺れてた
「大吾?大丈夫?」
大吾)ぅ…ぁ…
焦点の合ってない綺麗な瞳は小刻みに左右に揺れ動き、呼吸も浅く小刻みになっとる。
「大丈夫や、落ち着こうな」
そう言って大吾の背中をさすった。
べちゃ
そんな感じで俺の手になんか付いた気がして、手を見たら
真っ赤に染まっとった。
「…え?」
その瞬間、呆然とする俺の視界から”なにか”が消えた
大吾が倒れこんだからやった
「だいご…?大吾!なぁ!」
和也)大吾?!大吾!
俺と和は大吾に声をかけ続けた
それ以外にやることが分からんかった
康二side
はぁぁ…何やってんねん俺!足動かせ!部屋行かんかったら大吾が!和也が!丈が!
““おい!子供も刺されてたらしいぞ!””
えっ…?
じゃあ…
““じゃあ子供がやったんじゃないってこと?!””
…ってこと?
また俺は、周りの声に流されて走り出した
「っ丈!?和也!?」
和也)ぁ…こうちゃ…
「もうすぐ先生来てくれるからな」
病院の併設施設で起きたって言うのが不幸中の幸い。と言っていいかどうか分からんけど…
ー3時間後ー
オペ室の前で俺らはただひたすらに待った。
丈)和?大丈夫。大吾は俺らの弟やろ。
和也)じょうくん…大吾、戻ってくるよな?
丈)大丈夫。大丈夫…
和也は泣き出した。
「丈も泣いてええんやで。お前やってまだ14やろ」
「無理に大人ぶらんでもええねんで?」
そう言うと丈も静かに泣き出した
まだ2人とも中学生。中学生やもんな。
まだ背負うもんがおっきすぎんねん。
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