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コメント
2件
コメント失礼致します。今回も素敵な物語をありがとうございます。 今回出てきたラジオは、誰かに声を届けるだけでなく、届けた言葉が相手を包み込んでくれる事もあるんだ、と1人考えながら、暫く呆然としていました。 主様が紹介してくださった作品、読んでみようと思います。素晴らしい作品をありがとうございました。
夜
雨が降っていた
少しどんよりとした気分だったが
なんだか外に出たくなって、キヨはスマホも置いて金と傘を持って外に出た
独りぼっちの俺
友達も家族もみんな居ない
いつものことなのに
なんだかとても胸が締め付けられる感覚がした
とある雑貨店に入った
こじんまりとしていて、普通の人なら通り過ぎてしまうようなお店
ツタが壁を覆い
看板も錆びていて
滴る水が、なんだか不気味さを増していた
カラン…とドアの鈴が鳴る
ギィィ…と木が軋む
奥から〈いらっしゃい〉
と優しいお婆さんの声がした
中には見たことがない個性的な雑貨が並んでいた
ひとつ
目に留まる
それはラジオだった
昔のラジオらしく、アンテナを伸ばして使うものだった
見た目は少し汚れていて、傷がついていた
だが何故だろう
こんなにも目にくらむ物がたくさんある中で
なんの変哲もないラジオに目が留まるなんて
思わず手に取る
〈おぉ…お兄さん…〉
〈それが気になるかね〉
「あぁ、はい」
〈それはねぇ…〉
〈声を聞くことができるんだよ〉
なにを言っているのか分からなかった
だってそりゃそうだ
ラジオなんだから声を届けるためにあるもの
それくらいこの俺でも知っている
「はぁ…声を聞ける…」
「誰のですか?」
〈…それはねぇ〉
〈…言えないわ〉
???ますます分からなくなってきた
言えない…?
このラジオの人が言わないでって言ったのだろうか
だとしたら何故ここに?
聞かれたくないのだったら処分してしまえばいいのに
少し考え込んでいると
〈ならお兄さんが持ってなさい〉
〈お兄さんならきっとその子の”こえ”が聞こえるわ〉
そう言われて持って帰ってきたはいいものの…
さっきからボタンを押しても
アンテナを立てても
全く声が聞こえなかった
うーむ、どうしたものか
そうだ- ̗̀ 💡 ̖́-
ベランダからやってみよう
ここはマンションの1番上の階だし、空に近い
「さて、どーだ!」
ジジジジジッ… ジジジジジッ…
「!」
ザーーーーー ザーーーーー ザーーーーー
ノイズが聞こえた
いや 違う
波の音が…波の声が聞こえた
「な、なんだ」
すると
ザーーーーー
ッ…
『…ねぇ』
『聴こえてる…?』
声が聞こえた
俺は驚きながらも
耳を済ます
『もしこの声が君に聴こえているのだとしたら』
『俺はこれより嬉しいことはないよ!』
『だって今まで誰にも届かなかったんだから』
『僕は今でも”こえ”を出してるよ』
『ひとりでとても苦しいよ』
『けど、僕はこの声を届けなきゃだめなんだ』
『例え仲間じゃなくても』
『例え”こえ”の届き方が違っても』
『誰かに僕のことを知って欲しいんだ』
『そして君は大丈夫って言いたい』
『君は孤独なんかじゃないんだって』
ブッ… ザーーーーー ザーーーーー…
苦しい
胸が苦しかった
なんだかすごく孤独に感じた
ひとりぼっちで
自分は居るのに
誰も見てくれなくて
声も届かなくて
助けてと呼びたいのに
届かなくて…
…!?
まさか…
俺はすぐに荷物を持って外に出た
海を目掛けて
君を目掛けて
“この世界で
1番孤独な生き物を知っていますか?”
“ある一頭の鯨”
“この子は声が高すぎて、周りの仲間達に聴こえていないんですって”
“仲間が近くにいるのに気づいて貰えない”
“声を出しているのに届かない”
“ただただ見つけて欲しい”
“誰かに自分の声を届けたい”
“その鯨はただがむしゃらに声をだしてきました”
“そんなある日”
“ある人がその鯨の声を聞きます”
“他の鯨よりも遥かに高い声で鳴く鯨”
“やっと届いた”
“鯨はとても喜びました”
“しかし、自分の姿を見つけてもらえることはありませんでした”
“鯨はとても悲しみました”
“それでも鯨は諦めませんでした”
“いつか必ず”
“この声が僕を必要としている人に届くように”
______もし君が孤独を感じているのなら
僕が全てを包み込んであげるよ
だって君はこの世で2番目に孤独なんだから
今回は”52Hzのクジラたち”
という世界で1番孤独といわれている鯨を、レトさんに例えて書いてみました
この鯨は声が他の鯨より高くて、鳴いても仲間に届くことがありません
そんな孤独をこの鯨が私達を包んでくれている
自分は独りじゃないんだって
なんだかそんな風に思わせてくれます
52Hzのクジラたちは書籍化しているので
死ぬまでに1回は読んで貰いたい作品です
自分も孤独をよく感じていました
そんな時、YouTubeでこの子の声を聴いたり
この子を描いた歌を聴いたりしてました
この本はとても心に響くのでぜひ本屋さんに行った時などふと思い出したら調べてみてください
最後まで読んで頂きありがとうございました🐋𓈒𓏸