人間の復讐劇(いえもん編)
──────いえもん視点──────
ザッザッと土を踏みしめる靴の音が静かな森に響く。不気味に吹く風は俺を歓迎していないようで肌を切り裂くように冷たく 痛みを伴っている。空は墨を流したかのように真っ暗で、自身の足元を視認出来るか怪しいほどだった。月や、星々の光を遮るように木は空の領土を占領する。何故こんなにも不気味な場所にいるのか。それはここが魔族の住処だからである。
なぜわざわざこんな場所に住んでいるのか、俺には到底理解することが出来ないだろう。
片手には銃、もう片方の手には剣を持ち奇襲に備える。どうしてこんな目に、なんてもう言わない。俺が、俺が選んだのだ。この道を。自身の意思では無いかもしれない。けれど、俺は役に立つことが出来る。力不足かもしれないが、俺が魔族を全滅させたらお手柄だ。それだけでほんの少しだけ心が軽くなる。
それを諌めるかのように隣で光る魂がそれを許さないとばかりに強い光を出す。わかってる、そう小声で答え、俺は整備されていない獣道を歩む。
シャキンッ!キィィィィィィンッ!!!
背後から金属質な音とともに何かが飛び出す。奇襲か、そう思いつつ、1、2歩後ずさってから剣を構え、その攻撃を防ぐ。そのまま前方に押し出し、敵との距離をとる。
「君、誰?ここは魔族以外立ち入り禁止…余程の実力者か命知らずかな?」
そいつは無表情のまま爪をギラりと見せつける。金属質な音の正体は爪だったようだ。そして、人間のような容姿をしているが、その犬のような耳が、しっぽがそれが人間では無いことを物語っている。口元は黒く、金属質なマスクのようなもので隠されていて、声はそれに反射して、少し金属質な音をが混じっていた。
この情報を統合するとそれの種族は犬人族であることが伺い知れる。しかし、それに構っている暇はない。俺は無言で剣を構え直す。
「沈黙…。つまりそれは故意ではなく自ら来たということ。ならば戦争中の今、手加減する理由も──────」
いい切る前に、俺はそいつの両足を切り落とし、再生できないように、ナイフで断面を塞ぐ。
「質問にだけ答えろ。」
「────?…ぁ…ぇ……?」
そいつはまだ事態を呑み込めていないようで目を大きく見開き、ぽかんとしている。本当に手間のかかるやつで面倒くさい。こんなものに構っている暇は無いと言うのに。
「種族長はどこだ?」
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この戦争におけるルール
1、全ての種族と争うことが可能
2、棄権した、または参加しない場合、その場で退場する。
3、種族の種族長を含む50%以上が退場した場合、その種族は強制敗北となる。ただし、種族長が生き残っている場合、続行される。
4、奇襲、誘導、策略などを含むいかなる戦略を行っても良い。
5、兵器や魔法、武器などに縛りはない。
6、回避不可の即死技は禁止(即死技では無いけれど、相手が即死した場合は禁止ではない。)
7、ここからルールが増えたり、減ったりする可能性があるため、随時確認する
8、これらを破った場合、即退場とする。
(この退場とは死を意味する。)
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そう、つまり種族長を殺さない限り続行する。そのため種族長は必ず殺さなければならない。
「あ”ぁ……ごだぇ…な”…ぁ…い”」
この状況でも抗おうとする精神力に驚愕したが、そんなことは関係ない。血の匂いが漂っているのだ。犬人族は匂いに敏感なためすぐ気づくだろう。手短にしなければならない。
(れいまりさんがいたら──────。)
そう思ったがいないものは仕方が無いため、めめさんから護衛としてつけてもらった死神に働いてもらう。
「死神さん。近づいてきた魔族は全員殺して。安全確保を頼んだ。」
魂はくるりと一回転して、ゾッとするほどおぞましい姿へと変貌する。この闇と同化するほど黒いフードを目深に被り、そのローブから覗く手は仄暗い灰色の骨だった。顔は見えないため、どのような容姿であるかは分からないが、おそらく骸骨であることが分かる。
「やめ…ぇ……ろ…ッ!!わた…しが…ッ私たちがァ…ッ何を…ッ!」
「…見てわかる通り俺は人間だ。」
その言葉にそれはまたまた目を大きく見開く。それは人間なんかに負けるわけが無い、そう思っているのだろう。つまり、俺の事を、俺の種族を見下している。
「これは復讐だよ。人間から名誉も、能力も奪ったお前ら人外への。」
「な”にッを…ッい”って”ぇ…ッッ!!!」
俺はそれに対してニヤリと笑う。まるで俺が俺ではないような感覚に飲み込まれそうになる。格下だと思っていた相手に直ぐに倒され、下に引かれた屈辱。死ぬかもしれない恐怖。それは過去に俺たち人間が感情なのだと、本能的に察した。そう、これは性格のねじ曲がった人間の
──────復讐劇である。
ここで切ります!さぁ戦争パートのトップバッターはいえもんさんですね!めめさんと直前まで迷いましたが、まあ、めめさんは後のお楽しみということで。さあ、今回の題名は『人間の復讐劇編』です。今まで散々下だと見下され、バカにされてきた人間のひとりであるいえもんさんが、ひとりで、なおかつ格上種族である魔族に対しての復讐を行います。劇的ないえもんさんに変化をお楽しみください。
それと、本編で語れなかった番外編を違う物語として書こうと思うんですけど書いたら見てくれますかね?いえもんさんの修行編や日常、めめ村としての依頼達成をしたりなどなど…後、ifストーリーも書きたいですね。メテヲさんや、ぐさおさん、ヒナさんが裏切らなかった世界線などもみたいですね。この世界の住人のほとんどが不幸なので…。見たいな!っていう人がいれば書く予定です。
ハート5万突破ありがとうございます!!!3日前?ほどには達成していたのですが、絵を描く時間が無く、記念イラストがかけてないので、なくなくあと伸ばしにさせてもらいました…。
てことで!改めてありがとうございます!!今回はれいまりさんですね!記念イラスト↓↓↓
「これが本当のれいまりマジックです!」
改めまして、5万いいねありがとうございます!!いいねや、コメント、フォローが私の30分励みとなりましたのでぜひしてくださると大変喜びます!!私が!!少なかったら泣きます!!
それでは!ハート5万ありがとうございました!おつはる!!
コメント
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序盤からめちゃくちゃ面白くてワクワクしてます…! 番外編も需要ありまくりなのでぜひぜひ!!
ifストーリー待ってる! れいまりさんの絵良すぎか