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「もう死んでるよ」
城咲が声をかけてくれるまで、凌空は自分が包丁で刺している肉の塊が、自分の母親の死体だという意識がなかった。
「…………!」
返り血を浴びた真っ赤な顔で振り返ると、いつものように煙草を咥えた城咲がこちらを見下ろしていた。
「……いい目だね」
形のいい口元を歪ませて笑う。
「……!!」
凌空は城咲を睨み上げた。
「……ところで、詳しく聞きたいな。晴子さんが今わの際に言った言葉について」
城咲は白い煙を吐き出しながら言った。
「あれ、どういう意味?」
凌空は唇を噛みしめると、手の中の包丁を握り締めた。