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俺たちはライブに向けて朝からぶっ通しで練習していた。
気づけば真昼。
元貴「涼ちゃん、若井、 そろそろ練習終わりにしよっか」
俺はそう言った。
2人も疲れていたみたいだからこのタイミングの休憩は嬉しいだろう。
滉斗「そうだね。 」
涼架「終わろっか。」
2人はそう言った。
片付け始める俺たち。
涼架「よいしょっと」
キーボードを持った涼ちゃんが言った。
俺は笑いをこらえきれず、
元貴「あははっ!涼ちゃんおじいちゃんみたーい!」
と言ってしまった。
滉斗「よいしょって…w」
涼架「え?なんでいじってくるの!キーボードって重いんだよ!」
そう言って頬を膨らませる涼ちゃん。
迫力ないところがまた可愛い。
元貴「はいはい、ごめんなさーい!」
俺は笑いながら謝った。
滉斗「じゃ、先帰ってるね! 」
若井がひと足早く準備が終わったようで帰って行った。
元貴「おっけ!」
涼架「ばいばーい」
若井が居なくなって練習するための部屋には俺と涼ちゃんだけになった。
ふと涼ちゃんの顔を見ると、少し火照っていた。
心配だったから俺は声をかけた。
元貴「涼ちゃん?大丈夫?」
涼架「え?あぁ、いや。大丈夫だよ!」
なんか、無理しているような…?
ん”ん”ん”〜…そうだ!
元貴「顔、赤いし…アイスでも買って帰るか!」
涼架「え!アイス!」
甘いものが大好きな涼ちゃんはアイスと聞くなり嬉しそうに顔を輝かせた。
その顔が可愛すぎて俺は無意識に少し顔を逸らしてしまった。
横を見ると、涼ちゃんが何か考えているようだった。
どうしたんだろ、声かけてみるか。
元貴「涼ちゃん!」
涼架「あ、行こっか、」
思い出したように言う涼ちゃんに俺は明るく返事をする。
元貴「うん!」
俺と涼ちゃんは近くのコンビニで好きなアイスを買った。
涼架「ん〜!あま〜い!」
元貴「あ、涼ちゃんお口にアイスついてるよ!」
涼架「え、どこどこ〜?」
元貴「ほらそこ!口の端の…あ〜!もっと右!右!」
涼架「あ、これか」
そう言うと涼ちゃんは口の端についていたアイスを舐めた。
涼架「ん、あま」
そう言う涼ちゃんはどこか大人びていて俺は照れてしまった。
って、なんで友達の涼ちゃんに俺は照れてるんだ。
ばか、ばか!
涼架「元貴?どした?」
涼ちゃんの声で現実に戻された。
元貴「ん?いや、大丈夫!」
俺は涼ちゃんに心配をかけないように笑顔で言った。
ふと涼ちゃんのアイスを見ると溶けかけていた。
元貴「ほら、早く食べないと!」
涼架「あぁ!そっか!」
俺も急いで口にアイスを頬張る。
口の中はこんなにも冷たいのに顔は熱いままだ。
なんでだろ。
俺はまだ涼ちゃんに抱いているこの感情の名前を知らない。
ただ、ひとつ言えることは、
これから涼ちゃんを友達としてはもう見れないということ。