テラーノベル
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喰屍__
問答無用で喰われる_。
omr side
初夏のいつもより少し暑かった午後5時。僕たちは流れの強い川の近くにあるベンチに座る。
空は赤色とオレンジで染まっており、そろそろ日が落ちる頃だ。
「ねぇ、元貴。俺たちって、ずっと一緒だよな?」
若井が口を開く。
ずっと一緒だよな__。
その言葉が、耳の奥で止まり、少し引っかかる。
だけど僕は、すぐ言い返した。
「うん、ずっと一緒」
「…笑、俺元貴と過ごせて幸せ」
歯を見せ流れの強い川を眺める。
…僕たちが初めて会ったのは高校生の頃。
そこからずっと一緒だ。真逆の性格だけど、それがいいんだ。
「僕も、若井と過ごせて幸せ。ずっとこのままがいい、笑」
距離を縮め僕も若井と同じ方向を眺める。
「じゃあ、俺、用事あるから、解散、かな…?」
「ぁっ、言ってたね!じゃぁ、またねっ!」
ベンチから立ち上がり若井に手を振る。
そうして、僕たちは逆方面に歩いていった_。
午後10時頃。
「〜…、東京ブギウギ〜…、♪」
僕は気分が上がり鼻歌を唄っていた。
暫く鼻歌を唄っていると、外から微かに「ぁ゛あぁ゛〜…゛」と、集団で言っている声が聞こえる。
なんだろう…
僕は閉じていたカーテンを開いて外を眺める。
いつもは夜更け。
でも今夜は宵闇。薄暗く、何かが潜んでいそうな不気味さだった。
目を細めてしっかりと眺めてみる。
「……っ…、?!?」
…この世のものなのか?
分からない。…勘違いかもしれない。
僕はもう一度見ることにした。
「……やっぱり、間違ってない……」
肌が緑_破けている部分がある服、変な歩き方をする。
――街には、ゾンビで溢れかえっていた。
僕は状況を理解し、テレビのリモコンを震える手で取り、テレビの画面に光を灯す。
丁度ニュースが盛り上がってた頃。
――Carnevoreus__?
感染経路は、噛まれてから24時間以内に感染――
瞳孔が白濁し、表情は無表情になる。
歩行や手足の動きが不自然で、奇声を発することもある_?
発症後は意識がほぼ消え、ゾンビとして徘徊――
「カァッ゛…グオ゛オォ゛ッ…カア゛ッ!!」
__奇声。
まるでカラスみたいな鳴き声だ。
…若井に連絡しないと…、!!
…プルルル、プルルルルルル……
10畳の部屋で電話の音が鳴り響く。
お願い、若井…出て…、
「……んん゛っ…、もしもし、元貴…?!」
「ぁ、…、!!わかぃっ…、大丈夫…、?!」
僕たちは同じマンションに住んでいる。
僕が10階で、若井が17階。
離れているが、エベレーターですぐ行ける距離だ。
「俺は大丈夫。元貴は?」
「…こわい…、あれ、ゾンビだよね…」
「…今からそっち行く。待ってて」
「ぁ、電話っ、繋いだままがいい…」
若井は「分かった」と言い、玄関の鍵を開けた音が電話越しからする。
僕はやっと、声が震えていることに気付いた。
声どころか、全身震えている。
「わかぃ…、もうちょっと、急いで欲しい…、」
僕は若井に無理なお願いを要求してしまう。
「…今エレベーター乗ってる。あとちょっとだから待ってて」
それを聞いた10秒後ほどに、玄関の扉がドンドンと叩かれた。
僕は玄関の先を見つめる。
「……あれ、若井、もう着いたの?」
「…え?まだだよ」
ちなみに病名の Carnevoreus(カルネヴォロス)の意味は
Carneはラテン語、イタリア語で肉。
Voreusはラテン語で食べる、貪る。
肉を喰らう者 という意味になるらしいです。
ちなみに書くのバリ楽しすぎていつの間にか1500文字。
頑張ったようふふふふふふん
大体800〜1000いいねで更新します!!!!!!!!!!!
コメント
7件
えゾンビは最高すぎる 若様このまま来たら喰われるじゃん… 絶対面白いね!!🎶
めっちゃ面白そう…! めっちゃ続き気になります…!🥹 あっフォロバありがとうございます…!!!😭💓 びっくりしすぎて目が飛び出るかと思いました😭😭
やばい~、 こういう系怖いのに 好きなんだよね~!! 東京ブギウギ鼻声で歌ってるのかわいいw