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くぃっ…
「やっ…」
視線をさげた桜子のアゴを持ち上げ無理やりに自分の方に向けさせる銀次郎
尚も言葉を発さないまま…
今まで見たことの無い銀次郎の姿に更に不安が溢れ、泣いてしまいそうになる桜子
「またそうやって泣くんか」
目の中いっぱいに涙を溜めた桜子を見つめながらそう冷たく吐き捨てた銀次郎
「だって萬田くん怖い…」
「怖い?そんなに離して欲しいか?」
「っ………。」
桜子は黙り込む…
その姿に何かを察した銀次郎は少しほくそ笑み、今までキツく掴んでいた桜子の手をほどき体を解放した
「あ……。」
今までキツく掴まれていた体が急にほどかれ何故か奇妙な寂しさに襲われる
解放されたこの体をどうしたらいいのか分からずモジモジとしてしまう…
「せっかく離したったのにえらい寂しそうやな…ん?どないしたんや?」
再び桜子に顔を近付け、その気持ちを見透かしたかのように意地悪に笑いながらそう囁く銀次郎
「そ、そんなことない!さみしくなんか…」
「へぇー。自分の客を家に連れ込んでその男の私物まで家に置いて…抱かれるような女が寂しくない…ねえ?」
な………!?!?
銀次郎のその言葉にそれまで溜め込んでいた感情が一気に爆発した桜子
パチンッ!
銀次郎の頬叩く乾いた音が部屋に響いた
「っ…………。」
「ほんっとに最低… やっと再会出来た時、側に居たいって…私の素直な気持ち何度も必死に伝えたのに それを全部拒絶したんは萬田くんの方やんか!!!やのに今更こんなんずるい!!」
「…………。」
「萬田くんのこと忘れたくて!諦めたくて! 無理やりにでも前向こうとしてるのに、その度に にこうやって現れて!萬田くんほんま鬼やね!」
…………。
「そうやってワシを言い訳にして他の男に抱かれとるんやろ? 客とは寝えへんってあんなに自信満々に言うとったのは嘘やったんやなあ?」
「な…!それがそんなに悪いこと!?
大人なんやし私が誰と寝ようと萬田くんに関係ないやん! それに元はといえば…あの時萬田くんが他にもっといい男が居てるって言ったから私は…」
グイッ!!
………!?
ドンッ!!!
その言葉を遮るように銀次郎は桜子の体を再びキツく壁に押しつけた
と同時に、銀次郎の心の中で抑えつけていた何かがくずれる音がした
「ムカつく…」
「え……?」
桜子の顔を睨みつけながら小さくそう囁いた銀次郎。
クチュっ…
「んん…!!!!」