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「いいよ、そんなの気にしなくて」
バレンタインデーに、ほんの少しだけど、デパートで買ったチョコレートを渡した。
人気のチョコレートで、永井くんも知っていたらしくとても喜んでくれていたのだ。
「恋人なんだから、プレゼントさせて?」
きゅるんと潤んだ瞳は、わざとなのかお酒のせいなのか。
「いまから……恋人?」
「そうだよ」
丁寧語から、タメ口になった永井くん。なんだか胸がドキドキする。
「いっぱい甘やかしてあげる」
「な、な……」
「契約特典」
恋人契約に|特典《溺愛》も付けると言われ、ひぃぃっと声を上げた。 手のひらにちゅっと口づけられて、そこが燃えるように熱い。
「花音のこと、絶対離さない」
「え?」
「なんでもない。ほら、パエリア食べよ?」
絶対離さないって言った? セックスの相手がいなくなると困るってことかな。永井くんは間違いなく絶倫。ほんとにすごい。
あつあつのパエリアを食べたり、ワインを煽ったり、他愛もないおしゃべりに時間を忘れて興じた。
「ねぇ……ちょっと訊いてもいい?」
「なに?」
いつのまにか彼の肩にもたれて、ぼーっとテレビを見ていた。かなり飲んだので目もとろんとしてくる。
「復讐が終わるまでは恋人なんだよね?」
そうつぶやいて、篤人の顔を見る。困ったような顔で小さく頷く彼。その薄い唇を奪ってしまいたいような衝動にかられる。
「特典も?」
「もちろん」
甘い声に、身体を引き換えにした契約だということを忘れそうになる。すべて投げ出してこのぬくもりに溺れたい。
「あのね、前に付き合ってた時はね」
「……うん」
「こうやってのんびりする時間がなかったの」
「……」
「いつも私ばっかり頑張ってる気がしてた」
自分の思いに蓋をして、相手に合わせ続ける。だんだんそれが苦しくなった。疲れてても、疲れてるって言えなかった。
「ね、花音」
優しい声に、すっと身体を起こして彼の顔を見つめる。篤人は指を絡めて恋人つなぎをしてきた。
「恋人って、上とか下とかないじゃん。対等だから、何でも言って?」
「……うん」
「疲れてたら、何にもしなくていいから」
「うん」
「そばにいてくれたら、それでいいよ」
そう言われて、胸がいっぱいになる。欲しい言葉をどんどんくれる。これが特典なのか……、永井篤人、すごすぎる。
「ありがと……」
すっと顎をすくわれて、優しくキスされる。舌が絡まると、口に残ったアルコールにくらくらした。
「んっ……んんっ」
「かわいい」
「あっ……」
キスしながらソファに押し倒される。
ルームウェアをめくりあげられて、あらわになった胸が、彼の指によって形を変える。
「やっ……んっ」
「もうこんなになってる」
「……っ、ああんっ!!」
ふーっと息をかけられて、じゅるっその赤く熟れた頂を吸われる。舌でピンピンと跳ねられて、イヤイヤと首を振る。
「やっ……あつ、と」
「酔っぱらってる花音、かわいい」
もう片方の彼の手が、胸の先端を根本から捏ねると、蜜口が湿ってくるのを感じた。
「こんな姿、誰にも見せないで」
「あっ……あうっ!! そんなこと、しな……ひゃっ!!」
ウエストからするっと入ってきた彼の右手が、ショーツの上から脚の間をそっと撫でる。
蜜を蓄えたそこが、彼の手が入ってくるのをいまかいまかと待っている。 もったいぶって、ショーツの上を擦られると、甘い声が漏れる。
きゅっと小さな蕾を押されると、腰が震えた。
「花音。口開けて、舌出して?」
訳がわからないまま言われた通りにする。じゅっと噛み付くように舌を吸われてそのままソファに押し倒された。
「んんんっ!! ふぅっ……」
ショーツの中にも彼の指が入ってきて、くちっという水音が羞恥心を煽る。
いつもより、ゆっくりとこねるような指先の刺激に、とろとろととめどなく蜜が溢れ出る。
ショーツとルームウェアのボトムスだけ剥ぎ取られる。煌々とした灯りの下、丸見えになった脚の間に彼が顔を埋めた。
「やっ!! だめええっ!!」
じゅるじゅると吸われると、背中が跳ねる。太ももをガチッと掴まれて、後ろに下がるのを許してくれない。