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「すぐ逃げる」
「だ、だってぇぇ」
「ここは、もっとしてって言ってるよ」
「あああっ!! だめだめだめっ!! やっっ……ひゃうっ!!」
蜜口に舌を入れられると脚がピンっと伸びる。ガクガクしながら果てると、横抱きで運ばれて、寝室のベッドにどさっと下ろされた。
ルームウェアのトップスを万歳で脱がされてうつ伏せにされる。
彼がすっと身体の下に手を入れて、胸の紅い先端を捏ねると、快感が電気のように身体を駆け巡る。
震えているのを気にもせず、腰を高く持ち上げられ、脚の間の小さな私を、彼が舌で弄ぶ。蜜が太ももを流れていくのを感じながら、刺激の強さに背中を弓形に反らせた。「びくびくしてる。ここに欲しい?」
そう訊かれて小さく頷く。彼の形を覚えたそこがいやらしく誘っている。
「こんなに濡らして」
ぐちゃっとした水音とともに、彼の指が|挿入《はい》ってくる。ナカをかき回されるとたまらずどさっと前に倒れた。枕に顔を突っ伏して、声を押し殺しているとすっとそれを抜き取られる。
「やっ……!!」
「声聞こえないでしょ」
「だっ、だって……あんっ!!」
刺激をやめない彼の舌と指。仕方なくシーツを握って快感に耐える。
「んんっ……ああっ、んっ」
「欲しくてビクビクしてる。かわいい」
ふるふると首を振っても、蜜口は正直だ。サイドテーブルから避妊具を取り出した彼。それを着けているのがなんとなく音でわかったけれど、奥で疼いた快感を味わいたくて目を閉じる。
「挿れるよ」
「んっ……あっ、ああああっ!!」
寝たまま後ろから、彼がぐっと挿入ってくる。背中に覆いかぶさってきた彼の重みを感じながら、いきなり奥まで突かれて顎を上げた。
私の手の上に、彼が自分の手を重ねてくる。ゆさゆさと揺さぶられて、快感に涙がぽろぽろと流れた。
「あんっ……ああっ、あんっ」
「ほんと、声かわいい」
「ああっ!!」
何度目かの絶頂のあと、彼にぐるんと仰向けにされる。もう目を開けることもできず身体中を駆け巡る快感を受け止めるだけ。
奥を穿たれて、だんだん意識が遠くなる。花音、花音と何度も呼ばれて薄目を開けると彼の気持ちよさそうな顔。
彼の首に手を伸ばして引き寄せて、身体のぶつかる音と自分のいやらしく鳴く声が鼓膜に響く。
何度も意識が飛んで、また快感で引き戻される。彼の小さな呻き声と薄膜越しの欲を受け止めて、くたんと身体が弛緩した。
はぁはぁという彼の息遣いを耳元で感じながら、静かに意識を手放した。***
次の日。
文字通り抱き潰された私は、なかなか身体が動かず、遅い朝食をとって名駅のデパートを2人で訪れた。
「ね、これってやっぱりしなぎゃダメ?」
当たり前のようにつながれた手を胸のあたりまで引き上げて彼に問う。
「そりゃそうだよ。恋人なんだから」
少しむっとしたような彼の顔。このままじゃ心臓がもたないと思いながら小さく息をつく。
「ちょっと時間早いから、プレゼント先に買おう」
「や、いいよ、そんな」
いいからと言われて、連れてこられたのはデパコスブランドが並ぶフロア。
きらきらとフロア全体が輝いて、高揚感に満ちてくる。
憧れの海外ブランドの前で立ち止まる。持っているのはリップだけ。いつかはフルでほしいなと思いつつ、まだ手が出ない。
「あれー、珍し」
リップを見ていた私たちに話しかけてきた人。黒いTシャツには大きくそのブランドのロゴがプリントされ、左胸につけた名札は百貨店のもの。
その男性はどうやらBAさんらしく、にこにことわたしたちに近づいてくる。
「ここ、お前のとこだったんだ」
「久しぶり。よかったらどうぞ」
「や、あの……」
韓国アイドル顔負け。びっくりするくらいイケメンのBAさんで、目が眩む。ぺこりと頭を下げると促されるままカウンターに座った。
「せっかくだから、フルメイクしていきますか?」
そう訊かれて隣にいる永井くんの顔を覗き込む。フルでやってもらえば時間もかかる。
「いいよ、時間はあるから」
「永井はやさしーな」
「うっせ」
ずいぶん仲がよさそうだ。昔からの知り合いなのかな? ふたりのやりとりはなんだか面白い。くすくすと笑っていると緊張がほどけていく。
名札を見ると|垣内《かきうち》の文字。垣内さんがあれこれとコスメを選んでくれる。憧れのブランドを目の前にワクワクが止まらない。
そこではっと気がついて、垣内さんに声をかけた。
「あ、あの予算的に、全部は買えないかもしれなくって……」
「いいよ、プレゼント」
遮るように篤人が言うと、ニカッと笑う垣内さん。そうこなくっちゃと嬉しそうだ。