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🖤「……ここなら、誰にも迷惑かからないよな」
目黒はきしむ音を立てるドアを押し開けた。
人気の無い廃墟ビル。
割れた窓ガラス、剥がれ落ちている壁、冷たい夜の空気。
🖤「もう全部終わりにしようと思って来たのに、さ….」
ビルの奥の方から、鈍い音が聞こえた
🖤「…..?」
近づくと、そこには
🩷「ッ、やめろって言ってんだろ…..!」
👤「うるせぇな、まだ口聞けんのかよ」
数人の柄の悪い男たちに、殴られ、蹴られている人がいた。
🖤「……」
目黒は一瞬だけ立ち止まった。
🖤「…どうせもう死ぬし」
そう呟いて、男たちの前にでた。
🖤「やめろ」
👤「あ?」
🖤「そいつに触るな」
👤 「は?誰だよお前」
次の瞬間、拳が飛んできた。
🖤「…..っ!」
👤「調子乗んなよ」
👤「まとめてやっちまえ」
目黒は逃げなかった。
ただ、前に立ち続けた。
👤「なんだこいつ、全然倒れねぇ」
👤「意味わかんねぇな」
🖤「…..っ」
視界が歪む。
血の味が口に広がる。
🩷「おい….あんた……..」
さっき殴られていた人が、掠れた声で言う。
🩷「なんで…….逃げないんだよ….」
🖤「、どうせ死ぬからかな」
自分でも驚くぐらい淡々と答えた。
🖤「ここで死んでも、飛び降りて死んでも一緒だろ」
🩷「そんな理由で…..人、庇うなよ…..」
🖤「うるさい」
更に殴られ、蹴られ____
👤「チッつまんねぇな」
👤「もういい、行くぞ」
男たちは吐き捨てるように言って去っていった。
静寂。
🖤「…..生きてるか?」
目黒は床に崩れた人を見下ろした。
🩷「…何とか、な」
月明かりに照らされて目黒は初めてその人の顔をしっかり見た。
🖤「….」
胸が、強く鳴った。
🩷「…..何見てんの」
🖤「…..」
🩷「..気持ち悪いぞ、」
🖤「……どタイプ」
🩷「ん?」
🖤「いや、なんでもない」
🖤「名前は?」
🩷「…佐久間大介」
🖤「俺は目黒蓮」
🩷「…..助けてくれて、ありがとな」
🖤「別に」
目黒はほんの少し笑った。
🖤「生きててら良かったな」
🩷「…..あんたもな」
その瞬間、目黒は思った。
🖤『死ぬつもりできたのに、』
🖤『なんで生きたいって思った、? 』
🖤「…..どこ行くんだよ」
🩷「とりあえず、ここをでよう」
佐久間は立ち上がろうとして、ふらついた。
🖤「危ない」
目黒は自然に肩をかした。
🩷「……優しいんだな」
🖤「…..」
🩷「一目でわかる」
🖤「何が」
佐久間は笑って答えた。
🩷「…..目黒、お前寂しい顔してる」
🖤「……」
🩷「死にたそうな顔、してた」
答えれなかった。
🩷「なぁ」
佐久間が言う。
🩷「今日だけでいいからさ」
🖤「?」
🩷「一緒に居ない?朝までな」
目黒は静かに頷いた。
🖤「…..うん、」
夜はまだまだ更けていく。
2人の距離もまた縮まっていった。