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「白鳥沢、大エース復活か?」
その年の春高予選前、そう呼ばれた時、俺の心に歓喜が舞い込んできた。
やっと、牛島さんの足元にいけた。やっと、この学校が代々繋いできた「大エース」の名に
相応しい者になれた。
そう言ったのは、俺じゃなかった。
誰もいない体育館。俺以外誰もいない。
ステージの上に誰かいる。
「それは違う」と泣き叫んでいる。顔を涙でぐしゃぐしゃにして、うめき声をあげている。
よくよく聞いたら俺の声。そして解った。
この声は、本当の俺が叫んでいる、本当の俺の想いだった。