テラーノベル
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「お前、記憶なくしたってマジ?」
カーテンを開けるとそこには見覚えのある顔があった。
でも、いつもとは違う少し困った顔。
「えっと、うん、君は?」
変わってなかった、優しい話し方、温かい声色。
涙が出そうになった。
「覚えてないの腹立つから、教えてやんねぇ」
陽が困ったように笑った顔を見て思った。
本当に、変わらないな…
「お前、記憶なくす前のこと、どんくらい聞いてんの?」
一瞬陽は驚いた顔をした。
「えっと、僕の名前は成瀬陽、4人家族で、恋人がいて…」
恋人、その単語に反応してしまう自分が馬鹿みたいだった。
「事故にあって、僕をかばった恋人だけが死んだ…」
あぁ、やっぱ、聞かされてるよな。
その言葉を聞いた途端俺の中で後悔が押し寄せた、俺は陽を一人にさせてしまった。こんなの守れたに入らない。
「…あれ?」
声のした方へ顔を向けると、陽の目から涙が流れていた。何故だかなんてわかるわけない、でも、でもなんだか、そんな気がしてしまった。
陽が、思い出してくれた。なんて思ってしまった。
「なに?、なんか思い出した?」
陽の涙は止まらずに流れる一方だった。俺はただその涙を、陽を見つめながら微笑んだ。
「わかんない、わかんないけど」
陽の声が涙にかき消されていく。
「君を忘れちゃいけない気がする」
涙に嗚咽に消されそうな声、なのに何故かその言葉だけはっきりと聞こえた。
泣きそうになった。でも今ここで俺に泣く資格なんてない、
だから今できる精一杯の笑顔を陽に向けた。
ごめんな、最後まで守ってやれなくて、情けない俺で、
でもな、これだけは伝えたかったんだ。
本当は本当は生きてお前を抱きしめながら言いたかった。でも、もうそれは叶わないから、
だから最後にこれだけ言わせてくれ。
「ありがとう、陽。」
陽の目から涙が溢れて、その涙を見てると泣きそうになって、抱きしめたくて、その涙を拭いたくて、
これからも、俺は陽と笑っていたかった、記憶がなくても一緒に過ごしていたかった。
でも今の俺にはそれは出来ないから、
だからせめて。
君の中で生きつづけたい。
コメント
3件
うわあ……第2話でこの胸の締めつけ方は反則だよ。 「わかんないけど、君を忘れちゃいけない気がする」って陽が言うとき、自分も記憶がなくても“それ”だけは確かに残ってる感覚、すごく切なくて伝わってきた。 それに、最後の「ありがとう」のタイミング。陽が思い出してくれた瞬間、死者側が謝るっていう構図がもう……たまらなかった。 続きどうなるんだろう。まだ2話なのに既に涙腺やばいよ。
#鬼滅の刃
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