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この物語に、政治的意図・戦争賛美の意図はありません。
また、現実とは関係はありません。
旧国が出てきます。
史実要素多めですが、忠実ではないところがある可能性があります。
今回は、日帝・海くんを主人公に書こうと思います!頑張ります!
・大日本帝国・海軍
・シンガポール
今回は会話するだけです、だらだらと書いてきます
ということで、それでもいい人は、どうぞ!
俺は、シンガポールに呼ばれてそこにいた。
「それで…御用というのは何でしょう?」
もう、この敬語にも慣れた。言うなれば、思ったことを「敬語という袋で包んでいる」だけなのだから。本質は、何も変わらん。
俺は、そこで景色を眺めているソイツに話しかけた。ソイツは、慌てる素振りも見せず、静かに振り返って、こう言った。
「来たんだね。大日本帝国・海軍。」
鋭い目つきが、俺の体に刺さる。
「ええ。貴方にお呼ばれしましたのでね。」
当たり前、とでも言うように言葉を返す。
そうすると、ソイツは目つきをさらに尖らせ、言う。
「あー、そういうの、いいから。本心で話して。話し方だけだけど、偽ってるの、バレバレ。」
…これは、言った方がいいかな?辺りを見渡す。誰も、いない。俺ら二人以外には。
「ハハッ…お前は、好みじゃあなかったかい。お硬いやつは。」
「…そう。それで良いんだよ。『大日本帝国・海軍』じゃない。『海』としての…いわゆる政府の者でも、軍のものでもない…個人としての君を見たいの。敬語が本心だったら別に良いけど、違うでしょ。 君の場合。」
「…そうだな。『僕』よりも、『俺』の方が合ってる。正解だ。」
観察眼が良いな。コイツ。
「なら聞こう。お前は何で、俺をここに呼んだ?」
「…」
ソイツは、黙り込んだ後…しばらくして、口を開いた。
「君がどんな人かを知りたいんだよ。過去・現在・好き嫌いといった話だけで分かるものから、性格なんかの本質まで。」
「…!?」
「僕はね、シンガポールの化身。
覺えてる?あの日を。華僑虐殺事件を。」
「…忘れるわけないだろ。陸軍の一部の奴らが勝手に決めて、勝手にやらかしたって聞いたよ。ああいう、武力だけで恐怖政治しようとする奴らは、俺としては嫌だね。」
「そう。どういう意味で?効率?人情?それとも…他?」
「効率と人情、かな。
まず効率。あんなん短期間しか支配できない。本当に大東亜共栄圏を作るんなら、アレは悪手中の悪手。すぐに暴動が起こるさ。
最後に人情。普通に残酷・残虐過ぎる。虐殺は…俺が言っても説得力ゼロだと思うが、いけないことだ。殺り方が惨(むご)すぎて、耳を疑ったよ。 」
「…ん〜…強かだね、結構。色々無茶苦茶してたから、もうちょっとヤバイ奴と思ってたよ、正直。」
「そうだろうな。そう思われてると思った。」
「自覚アリなんだね」
「当たり前だ」
顔を覗き込みながら聞いてくるため、毎度無駄にドキドキする。
「それじゃあさ、過去…教えて。それで見極めるよ。」
「あ゛?そんなんで見極めるもんなのか?」
「そんなもんだよ」
「…長くなるぞ…?…はあ、親父んとこで兄さんの弟として育った。最初はいたずらっ子だったけど、流石に成人に向けて段々大人しくなった。そんな時に、親父が新政府派の奴らに首跳ねて殺された」
「…へ〜、それは初めて聞いた。前にお宅の息子さんたちと話したけど、そんな話は無かったな。」
「空と日本とはもう話したんだな。」
「うん、良い子だったよ~教育は成功だね」
「そりゃあ良かった。話戻すぞ」
「うん」
「そんで、俺らが国の化身になった時、政府から言われた。『貴方は政府の補助を担当してもらいます』って。軍か政府かの二択だったけど、兄さんが軍を選んだから、俺がこっちになった。」
「…あの人が。ねえ…確かにしそうだ。弟が軍に行くくらいなら…って。」
「会ったこと、あるんだな。」
「うん。会った時がどういう時かは秘密だけど…その時の印象は、凄い…かつてのイメージとは真逆だった。ちゃんとしていて、真面目って感じ。でも、自己犠牲がすごくて…ちょっと心配だよ。僕。」
「…そう、だな。俺が知らないとこで、いっつも体はってんだ。」
「あ、話話…んで、俺は政府のボディーガード兼秘書?みたいなことをしてた。基本的には総理に付いてたな。戦争があった時も、基本的にはずっと。」
「へ〜…そう、なんだ。ホント、意外だな〜。でも、融通は利かないんでしょ?あくまで秘書みたいな感じだし」
「ああ。決定したら避けられないし、意見する事だけでもヒヤヒヤだからな。
それで、ある日…大東亜戦争…あ、違う違う、太平洋戦争の時。」
「大東亜戦争は日本だけの言い方って言われるけど…別に良いよ。伝われば大丈夫。」
「…そうか。ならいいや。続き話すぞ。
兄さんが、全身焦げて、生きてるかどうかも怪しい…ていう状況で帰ってきた。朝廷の爺さんに、抱きかかえられながら。そんときに、俺も何かしなくちゃな…て思った。 」
「…そう。(多分ペリリュー島らへんかな、ホント無茶する。)」
「…正月過ぎてから、1945年になって…。特攻が始まってさ。そんで、空も死んだし…だから、戦艦に乗った。大和って、知ってるか?乗ってた戦艦だ。」
「それは知ってる。あの、沖縄に船員もろとも特攻しにいったっていう…」
「あ〜!そうそう、それ。まあ、その後はお察しだ。魚雷やら何やらで、横転して、沈没。俺はそんとき爆弾か何かで吹き飛んで死んだ。」
「終わり?」
「これで終わりだよ。まあ聞きたいことあるんなら聞きな。」
「貴方のお兄ちゃんは結局どうなったの?」
「俺が先に死んだから知らん。本人が言うには餓死だと。なんか隠してる気はするがね。戦後にアメリカから帰ってきた時、腕が無かったからな。左の方が。」
「…秘密主義なんだねぇ。質問はこれでいいや。ありがと。」
「おう、もう良いのかい。こちらとしては助かるが。」
「うん、お兄ちゃんについて聞きたいことはあるけど…後は本人から聞くよ。」
「ふ〜ん…お前が聞いたら、過去の方もお前から聞こうかな。どうせ聞くんだろう?」
「勿論。それに、彼は謎が多すぎるからね、僕としても聞きたいことは沢山。ま、僕に聞くのはいいけど、本人からは聞かないの?」
「多分聞かせてくれない。『また今度』でうまいことかわされる。」
「…なるほど〜、じゃあ聞いたらまた、この場所に呼ぶから。」
「御意、楽しみにしとくよ。」
俺は、背を向けて歩き出す。
「ふふ。そうだね。…バイバイ。」
「ああ、また今度。」
そうして俺は、その場を去った。
「大日本帝国・海軍…うん、僕の元々のイメージとは真逆だった。いい意味で、ね。
陸軍の方はどうなのかな…?1回会ったことはあるけど、アッチは硬い感じ。でも…なんか、抱え込んでる気がするんだよね、それも、無意識に。…分かんないや、まだ…。まあ、楽しみにしておこうかな。」
はい、これで今回は終わりです!長かったでしょう…お疲れ様です…
ちなみに空くんや日本の回は書いたとしても、陸くんのは書くつもりは無いです(強固な意思)。
コメント
1件
読み終えたわ。シンガポールとの会話、めっちゃ良かったな。最初は堅苦しい敬語でやり取りしてたのに、シンガポールが「本心で話して」って促した瞬間から空気が変わって、海くんの本音がどんどん出てくる感じが心地よかった。華僑虐殺事件の話を「効率と人情」の両面から批判する冷静さとか、過去話で父親の死や大和沈没を淡々と語るところとか、キャラの深みが一気に出たな。シンガポールの観察眼も鋭くて、二人の距離感が絶妙だった。長い会話劇、お疲れさま!次は陸くんの話も読みたくなったわ(書かないって明言してたけど…そこは残念!)。