いつもの様に屋上に入ると共に安堵する。
流石に先に来られては居ないようだ。
いやまぁ、どのみち会うのだろう。
その前に至福のひとときを楽しむとする。
そして屋上の太いダクトのような物に腰をかけて袋からサンドイッチを出す。
サンドイッチを食べながら広場を見ていると、
「あ、これ美味しいね。卵サンド好きなんだ? 」
「ん、そう。卵好き。」
「へ〜」
あれ、今誰と喋った?
でもそんなはずは、ドアの音もしなかったし。
「え、会長?なんでいるんですか。」
「なんでって、揺不君と話す為だよ?」
「いや、まぁそれは分かってます。ドアの音しな
かったじゃないですか」
「君より早く来たからね。」
え?
いや、え?
「揺不君って、結構可愛いね。私が居ないかずっ
と確認してたもん。」
くすくすと口を手で隠しながら笑っている。
見られてたのか。
途端に顔が熱くなるのが分かって、
すぐに目を逸らす。
「あ、そうそう。」
「な、なんですか?」
「私の事、会長って呼んでるでしょ?」
嫌な予感しかしない。
「雫って呼んでみてよ。」
あーくそ。やばいぞ。
どう逃げるか…あ、確か会長は3年。
先輩だから呼び捨ては〜って感じで行けるか。
「いや〜その、会長は一応先輩なので、
呼び捨てはちょっとあれかなぁと。」
「うーん。あ、じゃあ雫先輩って読んでみて。」
楽しむように微笑みながらこちらを見ている。
不覚にも可愛いと思ってしまった。
というかどうしよう。逃げられなかった。
しかも先輩付けるとかもっと恥ずかしい。
「早く〜。」
「し…..んぱい、」
「ん〜?もっとはっきり大きな声で。」
「雫…先輩。」
かーっと顔が再び熱くなる。
やばい。マジで目を見れないぞ、これ。
「恥ずかしがり屋さんだね。揺不君は。」
「っえ?そ、そんな事、」
「ふふ。顔が赤いよ揺不君。」
顔を覗き込んでくる。
近い。いい匂いがする。
目綺麗。肌白。唇柔からそう。
やばい。
勢いよく顔を上げると、
「あれ〜?もしかしてキスできそうとか思ってた
りしてたの?」
…あ、確かに。
今思えばキスできる距離だったのか。
てか考えてた事今思うとだいぶ気持ち悪いな。
でも、やっぱり綺麗な人だとは思う。
性格はまぁ、モテそう。シンプルに。
「会長、彼氏いないんですか。」
.
突然彼がそんな事を言った。
彼の事だ、多分そういう意図はないのだろう。
でも、何故そう聞くのだろう?
先程までの会話で私に彼氏が出来るような好印象は無いはず。
じゃあそういう意図なのだろうか。
多分それは違う、のだろう。
「え、え〜居たら良かったなぁ〜」
探るようにそう言い放つと。
「案外モテそうですけどね。」
…もう誘ってるよね?
いや、モテそうな印象ってどこにあったかなぁ。
本当に心当たりがない。
というか結構印象的には悪いと思うんだけど。
どうして今私がモテそうという印象になったのだろうか、
「そ、そうかな〜。」
「逆に聞くけど、揺不君は居ないの?」
「居たらその人と昼食べてます。」
「確かに。私もそうしてる。」
.
そっか、会長って彼氏いないんだ。
結構意外だ。
こんなに顔も整っているのに。
世の中顔だけじゃないと言うが、
別に性格も悪くはないし。
…ワンチャンあるのでは?
いや、それはないか。諦めよう。
「じゃーさ。例えば、私と付き合ったら何した
いって思う?」
「え?」
「例えば!例えばだからね。」
「…手、」
「手?」
「手…繋いで帰りたい。」
「え、可愛い。」
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どうだったでしょーか!
最近投稿できてなくてごめんなさい!
…なんか毎回謝ってる気がする。
ということで、気に入ってくれたら、
フォローといいねお願いします。
他のシリーズも見ていってください。
それでは、また。
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