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⚠︎︎ fu×kz / 🍃×🌸
⚠︎︎ 年齢操作×
⚠︎︎ 同棲
まるでインクをぶちまけたように、窓から見える空は次第にオレンジから黒に染まっていく。
そこは、夜のリビング。静けさが漂う、空間。 モニターから溢れる光が、白く、眩しく、二人の影を落としていた。
数日前に録画した映像を確認しつつ、kzは手際良くキーボードを叩く。カタカタと規則正しく木霊する音。
そして、いかにも当たり前と言うように、自然に。そのkzの背中にぴったりと自分の身を重ねているfu。何度も同じことをしているのか、慣れたように腰辺りに回された腕。そして、定位置に着くように華奢な肩に乗せられた顎。
お互いの熱を感じ合う。
そんな距離感の中、二人は言葉を繋げ合う。
fu「……ねぇ、もう少しこっち向いてよ。」
kz「作業中。」
fu「知ってる。 でも、kzの顔が見えにくいの、やだ。」
kz「……そうかよ。」
そうやって、どこか冷淡さを含んだ返答をするkz。でもそれに対してfuは不満を抱くわけでもない。…いや、むしろそんなマイナスな感情を発するわけない。
余計に、彼のことが愛おしくなる。
ただ、それだけのことだろう。
fu「……眉間、皺寄ってる。」
kz「別にいい、ほっとけ。」
fu「えー、やだよ。」
甘味を具現化したような声色、と言ったらいいだろうか。kzに対しての気持ちが溢れんばかりの声を漂わせながら、fuは優しくkzの眉間に触れた。
ぴったりと密着した身体。
お互いの温もりと、呼吸を、肌で感じる。
画面の光が、二人の頬を淡く照らしている。
fu「……なぁ、kz。」
kz「……何。」
fu「俺のこと、好き?」
キーボードを叩く音が一瞬静止される。まるで、少しだけ時が止まったような、そんな感じ。 それから数秒後、何事もなかったかのようにkzはモニターに視線を向け、手を動かしながら、口を開く。
kz「……そんなん、わざわざ聞く?」
fu「聞きたいんだよ、俺は。」
kz「……意味分かんない。」
そのkzらしい答え方に、fuは思わず顔を綻ばせる。
ああ、この子は、どこまで素直じゃないんだろうか。 耳の赤みは隠せていないのに。平静を繕おうとしている様子は、とてつもなく、愛おしい。
fu「……じゃあさ、」
fu「俺のこと、嫌い?」
kzは少しだけ目を伏せた。 長い睫毛が、ピンクの宝石を隠し、煌めく。 その様子だけで、一枚の絵が完成してしまう。
その目を伏せた動作は、画面の光が眩しいからか。 それとも────。
kz「……嫌いだったら一緒に住んでない。」
fu「…っふ、たしかに。」
fu「……でも俺、kzの口から直接聞きたいんだけどな。」
“俺が、好きってことを”
kz「……」
肩に顔を埋めるfuの前髪が掠って、なんだか擽ったくなる。むず痒いような、堪え難いような、そんな心地がする。
じんわりと、絵の具を溶かすように。
彼の低くて、でもって柔らかげな。
だいすきな声が吐かれる。
fu「……俺は好きだよ、kzのこと。」
……まるで時間がまた、止まったみたいだった。 光が淡く瞬き、かざねの横顔を照らしている。
────そして、小さく。
kz「……知ってる。」
端正な桃色の唇は、そう紡いだ。
その声は、微かに上擦り、掠れていた。
けれど、彼からの想いを拒む色など、kzのどこにもなかった。…そんなの、あるわけもない。
fu「……うん、だよね。」
fuの笑い声が、耳元でやさしく、響く。
kzは何も言わない。ただそのまま、信頼のままに身を預けるように身体を傾ける。
細くて、脆くて。強く抱けば、壊してしまいそう。そんなkzの身体を、更に……。ほんの、ちょっとだけ。一際強く、抱き寄せる。
fu「大好きだよ。」
そう口にしながら、ちゅと柔らかなリップ音と共に、耳から唇を離した。微かにピンクに染まった耳輪に、本人はきっと、気づけてない。
光が、音もなく二人を包み込む。 静かな夜。心臓の音と熱だけが、重なっていた。