ガイアの周囲に漂う空気が一変した。圧倒的な威圧感が辺りを包み、彼女の背後に巨大な天秤が現れる。その天秤は黄金に輝き、片方には「秩序」、もう片方には「混沌」と刻まれていた。
ガイア:「最終奥義……正義の天秤。この場における全ての法とその矛盾を裁く!」
天秤が静かに動き出し、周囲の風景が歪んでいく。港と渋谷の身体が見えない力に引き寄せられ、天秤の片方に縛り付けられた。
渋谷:「なんだこれ……体が動かねえ!」
港:「この力……ただの異能じゃねえ。空間を操作してやがる!」
天秤の針が揺れるたびに、二人の身体からエネルギーが奪われる感覚が走る。
ガイア:「正義の天秤は、この場にいる者の罪と功績を天秤にかけ、その結果によって処罰を下す。お前たちに逃げ道はない。」
渋谷が薄く笑みを浮かべる。「その天秤、俺たちの罪を計ってるってわけか?」
ガイア:「その通りだ。」
渋谷:「じゃあ、あんた自身の罪も計ってみろよ。法律が絶対って言うなら、自分が法律に反したことがない証明をしてみせろ。」
その言葉に、ガイアの目が微かに揺れる。「私は正義そのものだ。私に罪などない。」
渋谷が嘲るように笑う。「本当にそうか?お前がルナを見殺しにしたこと、それも正義だって言えるのか?」
ガイアの背後の天秤が突然ガタガタと音を立て始めた。針が大きく揺れ、「秩序」と「混沌」の間で不安定に振動する。
ガイア:「何だ……これは……!?」
渋谷の挑発により、ガイアの内心にある微かな疑念が天秤に影響を与えたのだ。
その瞬間を逃さず、港が動いた。彼は全身の力を込めてガイアに向かって突進し、天秤を握りしめた。
港:「この道具に頼ってる時点で、お前も俺たちと同じだ!」
ガイアは驚きの表情を見せるも、すぐに冷静を取り戻し、天秤の力を港に向ける。しかし、天秤の不安定さにより、その力は完全には発揮されない。
天秤が激しく揺れ、ついには崩壊し始める。黄金の破片が空間に散らばり、辺りに静寂が訪れた。
ガイアは膝をつき、荒い息を吐きながら呟く。
ガイア:「私が……間違っていた……?」
渋谷が立ち上がり、ガイアを見下ろすように言う。
渋谷:「間違ってたかどうかは知らねえ。でもな、正義ってのは自分一人で背負うもんじゃねえんだよ。」
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