いつもは健康すぎる虎杖
目が覚めた。時計を見ると8時を指している。
今日は、普通の授業だから、若干の寝坊だ。
普段なら抜くことの無い朝食は、お腹が空いていないため抜いた。そのおかげで少し時間が余ったので、ゆっくりと支度をした。
なんだかんだ時間ギリギリに教室に着いた。あんなに余裕だったのになんでだ?と思いつつ走った。
「はよー」
『ん、はよ』
『おはよー、あれ虎杖にしては、遅いじゃない、寝坊?』
「あー、ちょっと寝坊した」
『ふーん、珍しいわね、(休みの日でも早起きしてるのに、)』
『嗚呼、体調悪いのか?』
「んー、そんなことねえよ?あーでも、あ、いや、なんでもない」
『なによ、隠し事?』
「いや、ほんとなんでもない、」
『?』
『?』
朝飯食えてないこといったら、余計心配かけるよなー、ただでさえ寝坊してんだし。
違和感を感じたのは、2時間目。普段なら1時間目は眠くても、2時間目には眠気は飛んでいる。のに、ずっと頭がぼーっとして、集中出来ない。
『…じ?、悠仁?おーい!』
「あ、ごめんせんせ、ちょっとぼーっとしてた」
『うん、大丈夫だけど、珍しいね。体調悪い?』
「ううん、全然??」
『そう?ならよかったよ。(自覚なしか、。多分熱あるな、これ。んー、とりあえず様子見かな。)』
「うん!」
でも、先生にまで心配されるなんてびっくりだなー、俺そんなに変なの???
その後も若干の頭の回らなさを自覚しつつ、昼休憩になった。
『虎杖ー、(食堂に)いくわよ!』
「あ、おう!」
立ったはいいけど、クラクラする。周りが黒くて、1部しか見えない。食堂へ歩き出した釘崎の方に進んでるけど、真っ直ぐ歩けてんのかなー。
『おい、危ない!』
伏黒side
釘崎に呼ばれ、向かう虎杖。そこまでは普通だった。けど、たった途端、フラフラしだして、前に倒れかかった。
「おい、危ない!」
咄嗟のところで受け止めた。釘崎も、俺の声を聞いて振り返る。
『ちょっと!大丈夫なの!?』
『あ、いや、ごめん。なんか、立ちくらみして、』
「虎杖お前、熱あるぞ」
『え?』
虎杖の体は制服の上からでも発熱してるのがわかる。
「家入さんは、、今日出張か。ならお前の部屋連れてくぞ」
『ええ、それがいいわね』
『え、ちょ、』
「立てるか、?」
『え、あ、うん』
そう言って、虎杖は立とうとしたが、案の定立てるはずもなく、釘崎にも手伝ってもらってどうにか2人で、部屋のベッドまで運べた。
『悪い、運んでもらっちゃって。なんか、急にスイッチ切れたわ』
「平気。虎杖お前、体温計持ってるか?」
『あー、ない、滅多に体調崩さないから、』
『確かにそんな感じするわね、』
「部屋から持ってくるから、待ってろ」
『ん、悪いな』
ピピピピ
示すは、8度7分。思ってたよりもある。でも、虎杖は全然ピンピンしてる。
『たっかいわねー、あんた』
『んー、思ったより熱いね』
『なんで他人事なのよあんた』
「とりあえず水分摂れ。脱水こえーから」
『ん、わかった』
「あと、薬飲め。風邪薬俺の部屋あるから、取ってくる。」
『あ、まって、伏黒。虎杖、あんた、朝何か食べた?』
『いや、食ってない』
『なら、何か食べさせなきゃね、何か食べれそう?』
『うん』
『なら、伏黒が薬取ってくる間私何か作るわ。』
「おー」
『いや、そんな、大丈夫だよ』
『あんたの大丈夫は信用ならないから』
「嗚呼、じゃあ行ってくる」
『私も、あっち(台所)行くから、何かあったら呼びなさいね』
『ん、サンキュ』
虎杖side
2人の目が無くなった途端、スイッチが完全に切れた。すぐに伏黒は戻って来るだろうし、釘崎もすぐそこにいる。なのに、体は言うことを聞かない。起きてられなくて、すぐに寝転がってしまった。2人の時間を奪ってしまっているというのに。
頭がガンガンする。寒いし、暑い。節々が痛むし、浮遊感で気持ち悪い。でも、2人にこれ以上迷惑かけらんないし、かけたくもない。
目を瞑ると、生理的な涙があふれる。呼吸も荒くなってきた。
ヒヤリ、とおでこに何か乗せられた。目を開けると、伏黒が心配そうに見つめている。
『スイッチ切れたか。つらいよな、』
「え、」
いつから、いたの?
なんでスイッチ切れたことわかったの?
なんで辛いのわかったの?
聞きたいことが沢山ある。けど、そんな俺を見て伏黒はこう言った。
『今は、何も考えないで目瞑ってろ。』
こんなこと言われたら従う他ない。
目が覚めると、外は暗かった。周りを見ると、机の上には、冷めたお粥が置いてあって、釘崎と、伏黒はベットによりかかりながら寝ていた。
額を触ると、熱はなさそうで、倦怠感も無い。2人が起きたら健康過ぎとか言われそうだな、とおもいながら、冷めたお粥を口に入れた。