テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
第46話 「福岡の頂点へ」
夏の福岡大会 準決勝。
柳城高校 ― 九州第一高校。
去年の決勝カード。
事実上の決勝戦。
球場は超満員だった。
「今年も柳城か」
「九州第一も強いぞ」
福岡の高校野球ファンの視線が集まっていた。
試合前。
九州第一の監督が福間監督へ言う。
「一年生、えらい投手育てましたね」
福間監督は少し笑う。
「まだまだです」
だが、その目は本気だった。
プレイボール。
初回。
九州第一が襲い掛かる。
一番。
ヒット。
盗塁成功。
送りバント。
一死三塁。
そして三番。
高い打球。
センター犠牲フライ。
先制。
0対1。
球場がどよめく。
塁は帽子を深く被る。
だが二回。
柳城反撃。
先頭打者出塁。
送りバント。
史陽がライト前。
一、三塁。
ここでスクイズ。
完璧に決まる。
1対1。
さらに四回。
柴田の二塁打。
タイムリー。
2対1。
逆転。
柳城アルプスが揺れる。
しかし九州第一も強かった。
六回。
二死一塁。
打席は四番。
高めのストレートを振り抜く。
打球はレフトスタンドへ。
同点ホームラン。
2対2。
試合は振り出しへ戻る。
ベンチへ戻る塁。
悔しそうに唇を噛む。
すると史陽が言う。
「まだ終わっとらん」
短い言葉。
塁は頷く。
八回。
試合が動く。
柳城攻撃。
二死二塁。
打席は塁。
九番投手。
球場がざわつく。
一年生投手。
だが塁は初球を振り抜いた。
打球は三遊間。
ショート飛びつく。
届かない。
タイムリー。
3対2。
柳城勝ち越し。
ベンチ総立ち。
舞も思わず立ち上がる。
塁は一塁上で拳を握る。
九回裏。
最後の守り。
九州第一も執念を見せる。
一死一、二塁。
一打逆転。
球場全体が張り詰める。
打席は五番。
初球。
強烈な打球。
センター前。
抜ける――。
その瞬間。
史陽が飛び込む。
グラブに収まる。
すぐ二塁へ。
ダブルプレー。
試合終了。
ゲームセット。
柳城高校 3―2 九州第一高校。
二年連続決勝進出。
整列後。
球場から大きな拍手が送られる。
誰もが認めていた。
柳城は、本当に強い。
だが福間監督は笑わなかった。
まだ終わっていない。
次に勝たなければ意味がない。
甲子園まで、あと一勝。
そして決勝の相手は。
春の九州王者。
筑紫台学院。
最強の相手だった。
第46話 終
コメント
1件
もう、この試合だけで泣きそうだった…。 特に九回裏、史陽の飛び込んだダブルプレー、あれが全てを決めた瞬間だよね。塁が苦しそうな顔してるの見て、胸がギュッてなったけど、史陽が「まだ終わっとらん」って一言でしっかり立て直す姿が本当に最高だった。 筑紫台学院か…もう強敵すぎて、次が怖くもあるけど、 でもこの柳城なら絶対やってくれるって、心から信じられる。勝ち進んでほしいな。
#高校生