「もうわかっている気がしてるけど」
資料室で気もそぞろにファイルを並べているうちに、いつの間にか定時になっていた。
デスクに戻って部長に声をかけ、オフィスを後にする。
駅に続く道を歩きながら、 日比野(ひびの)に了承のメッセージを送り、続いて実家に電話をかけた。
「お母さん?明日の夜泊めてほしいんだけど」
「いいけど、急にどうしたの」
「そっちで飲み会があるから」
それは方便だったけど、日比野と飲みに行き、もしそのまま彼がうちに来れば、きっと抱かれて流されてしまう。
日比野とこれまでのようにずるずると体を重ねることは、もう避けたかった。
「泊まるのは明日だけ?週末はこっちにいるの?」
「あー……」
週末の予定もないから、実家で過ごしても問題はない。
ただ数年前から母は私の結婚を気にし出していて、いろいろせっつかれそうなのは億劫だった。
「ううん、金曜日泊まった********************
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