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朋菜は今日も、畑仕事をしている。
その時、突然争いの音がした。
「何!?」
そこには松前の声も届いていた。
「朋菜様!早く逃げますよ!」
「え?」
「いいから早く!ついて来てください!」
そして朋菜は松前について行った。
「どうして逃げなきゃなの!?」
「このままだと、朋菜様は殺されてしまうところでしたよ!」
「何が起こってるの!?」
朋菜はその時、人が人の遺体を食べている場面を見てしまった。
「きゃっ!!」
朋菜は咄嗟に松前の後ろに隠れた。
「…天明の飢饉ですね」
「天明の飢饉?今は説明している場合!?」
その時、遠くから多量の火山灰が降ってきた。
「浅間山が噴火したようです」
「それって…やばいんじゃ?」
「だから、それが原因で庶民たちは皆、不作に悩み、中には餓死する人も出てきたそうです」
その時、ひどい冷気が来た。
「…そういえば、少し寒い気がするんだけど」
「そうですね…。作物が不作なのは、こういった冷害も原因かもしれません」
「いつまで続くの…」
「お米の値段の上がっておりますし…。どうしようもありません」
「…仕方ない、備蓄してたものでも食べよ」
その時、遠くから男性の声がした。松前じゃない、どこか優しい声。
「朋菜!」
その人は、どこからどう見ても朋菜の兄、友樹だった。
「お兄ちゃん!?どうしてここが…?」
「バカ。朋菜が全然帰ってこないから、俺が探しに…」
友樹も学ラン姿だった。
朋菜はここの世界の事を話した。
「…嘘だろ」
「本当なの。だからお兄ちゃん、一緒に令和時代まで頑張ろ?」