テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
朋菜は松前と友樹と一緒に、近くの本屋に向かった。
「この時代にも、本はあったんだな…」
「ちょっと読んでみる?」
殆ど洋楽の本ばかりで、朋菜には全く分からなかった。
「あ、これ聞いたことある」
そう言って朋菜が手に取ったのは、「解体新書」という医学書だった。本当の著者は杉田玄白だが、オランダ語が分からない朋菜は前野良沢が著した方の本を読んだ。
一方、友樹は国学の本を読んでいた。
「お兄ちゃん、何読んでるの?」
「『古事記伝』だよ。本居宣長の」
友樹は他にも、荷田春満の「創学校啓」も読んでいた。
「それって、古事記の研究をした時の本だよね?お兄ちゃん買ったら?」
「そうする。朋菜も読みたかったら読んでもいいから」
「ありがと」
レジのような所で、友樹は困っていた。
「ここ、クレカ使えないのかよ!?」
「お兄ちゃん、ここ江戸時代だよ?クレカなんて通用しないって」
「仕方ないな。じゃあ現金で」
その本の値段は4両だった。
「両?円じゃねーの?」
「もういいよ、私が払うから」
「何か済まないな」
その後無事に本を購入した。